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【初心者向け】暗号資産のグリッド取引とは?

19 mins

暗号資産の取引を行うトレーダーは、暗号資産市場における暗号資産の価格変動を見て、利益を得るチャンスをつかみます。しかし、価格変動は、トレーダーに優位な状況を作り出す反面、困難な局面に追い込むこともあります。取引市場は24時間オープンで常に価格が動いているので、トレーダーは取引のタイミングを見誤ることもあります。このような条件の悪化は、暗号資産取引ボットを導入すれば、大幅に緩和されます。特に、グリッド取引ボットは、多くのトレーダーに素晴らしい効果をもたらしています。しかし、グリッド取引とは何なのか、そしてなぜそれを使うべきなのでしょうか?

グリッド取引は外国為替市場ではよく見られますが、暗号資産トレーダーはこれを自分の取引手段に加えることで有利な選択肢が増えます。この記事では、この取引の仕組みを説明し、投資家の利益につながるグリッド取引の戦略を明らかにします。

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グリッド取引とは?

グリッド取引は、トレーダーが設定した価格帯の範囲内で売買注文を行う自動取引です。この定量的な取引プロセスは、暗号資産市場のボラティリティ(価格の変動性)を利用して利益を得ようとする方法です。グリッド取引では、売買注文は自動化され、グリッド取引ボットを介して実行されます。

グリッド取引ボットは、あらかじめ設定された価格帯の範囲内で自動的に注文を出します。このプロセスは、様々な潜在的な市場の動きを網羅する売買注文の取引グリッドに基づいています。トレーダーは、暗号資産の価格が設定された価格帯の範囲内で変動するため、その上下の値動きの差額から利益が得られる仕組みです。

グリッド取引の仕組み: バイナンス

グリッド取引の仕組み

トレーダーはすべて、暗号資産の取引にあたり、まず自身が利用する暗号資産取引所における取引範囲のパラメータを決めます。つまり、売買注文における上限と下限を決めます。グリッド取引は、指定したグリッド構造の価格帯の範囲で、前もって決めておいた注文を実行して、取引の最大利益を得ようとするものです。

グリッドとは、これらの取引が描かれた(plotted)部分であり、価格レベルはグリッド上に描かれた格子線のような形をしています。それぞれの格子線(上下)の間の距離は、基本的に常に同じです。

グリッド取引ボットの仕組み:TradingView

次に、トレーダーは、売り注文の上限価格を設定し、また、買い注文の下限価格も設定します。買い注文に対して、対応する売り注文が買い注文より上のレベル(赤色の格子線)に設定されます。

イーサリアムを例にして説明します。現在価格を下回る500ドルの増減幅で買い注文が設定できます。つまり、ETH価格が2,000ドルであれば、1,500ドル、1,000ドル、500ドルに買い注文を設定できます。同様に、売り注文も同じやり方で行ないますが、現在の価格より500ドル刻みで現在価格より「上」に設定します。ボットは、これらのパラメータに従い、売買注文を自動的に実行します。

グリッド取引を構築する

チャート上に自分の取引戦略を描くと、グリッドが形成されるのがわかります。取引グリッドをうまく構築するために、以下のステップを参考にしてください。

スタート価格を決定する

グリッドは、ベースライン(基準線)なしでは作成できないので、このステップは非常に重要です。ここまでで、ユーザーはプライスアクション(価格の動き)の流れがのみこめ、暗号資産を取引する範囲を決められるようになります。

ピップを選択する

自身の取引戦略で用いる「ピップ(狭いスプレッド)」間隔を決定する必要があります。ピップとは、現在価格から100ドル下がる、あるいは上がるといった増減幅を指します。例として、10ピップを選択します。現在の資産価格が200ドルであれば、買い注文は190ドル、180ドル(それぞれ10ピップ間隔)、といった具合になります。ストップロスを設定しておくと、一定の損失が発生した際には、あらかじめ設定した価格で自動的に売却されポジションが解消されます。これにより、損失を最小限に抑えつつ、利益を最大化できます。

取引の方向性:順張りか、逆張りかを決める

価格トレンドについての判断は、ユーザーが何を求めているかがはっきりしないと困難です。「トレンドに沿った」取引とは、資産の価格トレンドの方向に注文を決めておくことです。つまり、価格が500ドルで10ピップの場合、510ドル、520ドルといった具合に買い注文を設定します。この方法では、順調に進んだら利益確定のために取引を終了します。これとは逆に、「トレンドに逆らう」取引は、トレンドとは逆方向にポジションを取ります。結果的に、調整局面や揺り戻し(retracements)の機会の利用が多くなります。

グリッド取引のメリットとデメリット

グリッド取引は、価格が凪相場にあったり特定の範囲内で動くときには便利な手法です。これは、資産が長時間狭い範囲で変動するためです。この種の取引では、カスタマイズ性や取引所における流動性など、トレーダーは多大な恩恵が得られますが、考慮すべき注意点もあります。以下に、そのメリットとデメリットを解説します。

メリット

  • エントリーポイントの低さ: ボットは、トレーダーが手動でエントリーできないような低い価格レベルで取引ポジションにエントリーできます。人力ではそうしたエントリーポイントを見つけるのに、常に目を凝らして価格の動きを監視していなければなりません。またボットによるエントリーは、トレンドに逆行した最大の売りポイントを見つけるのにも有効です。
  • 高度な自動取引: ボットの取引戦略は論理的に行われます。ボットは市場のセンチメントやトレンドとは無関係に、プログラミングされたタスクを難なく実行できます。実際に、高度な自動化による効率的な取引が実現します。
  • リスク管理の強化: ボットを使用すると、取引がコントロールしやすくなり、ユーザーの報酬や収益に大きな影響を与える設定が行えます。これにより、投機的な取引リスクを低減できます。
  • 取引から情緒的要素を取り除く: 暗号資産投資、特に取引に関しては、怒り、恐怖、貪欲などの感情が投資家の行動の動機にもなります。取引ボットを使用すると、プロセスが自動化され、ロジックとルールによって処理されるため、感情移入を最小限に抑えられます。

デメリット

  • 長期スパンでは待機時間が長くなる:ボットによる取引は長期スパンを前提にしているため、 資産を数週間、またはそれより長く保持する必要があります。これは最終的に利益の減少につながります。ボットの使用には、忍耐力が鍵となります。
  • 市場の動きが極端な方向に偏る場合、取引システムが機能しない:ボット使用の取引戦略が功を奏すには、市場に引き戻し(pullbacks)が必要です。市場が一方向に傾いたままだと、損失を埋める機会がないため、不利な状況になります。
  • 常時監視が必要: これは、取引ボットを使用しない場合に起こります。トレーダーはプライスアクションを目で追い続ける必要がありますが、24時間開いている市場では、それは不可能に近いです。そのため、トレーダーは重要なタイミングでの注文を逃すことになります。

グリッド取引ボットのメリット

ボットは、これまで金融市場において長く利用されてきました。24時間取引できる暗号資産市場においても、その使い方の習得には大きなメリットがあります。グリッド取引ボットは、グリッドプロセス全体を自動化する取引コードまたはアルゴリズムに過ぎません。トレーダーは指定されたピップ間隔の価格で注文を出すようボットにプログラムしておけば、取引画面から目を離して一休みできます。

ボットを使用したグリッド取引のメリットは、合理的思考による取引判断の迅速化、取引のカスタマイズ化、閑散相場で利益を上げ続ける機会の創出などです。例えば、バイナンスには内部取引ボットとグリッドボットの両方があります。同社は実際、ボットをサポートしている取引所の中でも最も多くの取引ボットを保有しています。そこでは、リアルタイムのデータとあらかじめ設定された指標やルールを使って、収益性の高い取引シグナルを導き出しています。ユーザーは、証拠金取引や先物取引に使えるものなど、自分の取引ニーズに合った取引形態が選べます。

Binance Pionexボット: バイナンス

グリッド取引戦略-成功をつかむ3つの要素

グリッド取引は、FXと暗号資産市場の双方で大きな取引メリットがあることがわかっています。また、投資につきものの多少のリスクはありますが、メリットは間違いなくデメリットを上回ります。グリッド取引が成功する鍵として、主に3つの要素が挙げられます:確固たるエントリー戦略、明確なリスク管理、そして戦略的なポジションサイズの設定です。

エントリー戦略は、他の取引指標やチャート上の全体的な価格パターンに基づいて決定できます。リスク管理には、利益を確保し損失を抑えるために、「ストップロス」と「テイクプロフィット」の設定ができます。また資金の管理においては、各取引のサイズと各グリッドに配置する取引数が決定できます。つまり、戦略的に取引注文の計画を立て、そこにグリッド取引ボットの機能を適切に組み込めば、取引で成功をおさめる可能性がかなり高くなります。取引画面に張り付いて神経をすり減らすことなく、気持ちの上でも余裕が生まれます。まだグリッド取引ボットを使用されていない投資家にとっては、試してみる価値があるのではないでしょうか。

よくある質問

グリッド取引はどのように始めたらいいですか?

グリッド取引で利益が得られますか?

グリッド取引はリスクが大きいですか?

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Takashi Higashi
国際広報、海外の先端技術調査、海外企業との提携等をこれまで行ってきました。ここ数年、暗号資産に関心を持ってウオッチしています。
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