ソラナ(SOL)ETFはいつ承認されるのか?将来性や特徴も解説

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ヘッドライン

  • ソラナ(SOL)は、独自のプルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)技術により、高速でスケーラブルなトランザクション処理が可能なブロックチェーンで、DeFiやNFT市場で注目を集めています。
  • ソラナETFは、SOLへの間接的な投資を可能にする上場投資信託で、ブラジルでは2024年に承認され、米国での承認が期待されていますが、SECの厳しい規制が課題となっています。
  • ソラナETFの承認が米国で実現すれば、市場信頼性の向上と機関投資家の参入が促進され、SOL価格の大幅な上昇が予想される一方、流動性や市場成熟度が鍵となると指摘されています。

仮想通貨ソラナ(SOL)は、非常に高速でスケーラブルなブロックチェーンプラットフォームとして、暗号資産市場で急速に注目を集めています。その人気の高まりに伴い、ソラナを対象としたETF(上場投資信託)の承認が期待されており、ブラジルでは24年8月にソラナETFが承認されました。本記事では、ソラナETFの米国での承認がいつになるのか、その可能性や将来性について解説します。

ソラナ(SOL)とは?基本的な特徴と技術的な強み

ソラナは、2017年にアナトリー・ヤコヴェンコ氏が設立したレイヤー1のブロックチェーンプラットフォームで、高速かつ低コストのトランザクション処理能力が特徴です。独自のプルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)メカニズムにより、秒間数千件のトランザクションを処理し、スケーラビリティの問題を解決します。この技術により、ソラナは分散型アプリケーション(dApps)の開発において高いパフォーマンスを発揮し、イーサリアムなどと比較して優位に立っています。

さらに、タワーBFT(Tower Byzantine Fault Tolerance)プロトコルを導入することで、通信オーバーヘッドを削減しつつ、高速なコンセンサスと高いセキュリティを実現。これらの技術により、ソラナはDeFiやNFT市場において高い評価を得ています。

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ソラナの成長と注目の理由

ソラナの急速な成長は、技術的な強みとエコシステムの拡大が要因です。特にDeFiやNFT市場の拡大に伴い、取引量とユーザー数が急増。2023年5月末には、ソラナ上の分散型取引所(DEX)が過去30日間で2億1000万件の取引を記録しました。また、独自のスマートフォンSagaの提供もエコシステムの拡大に寄与しています。2024年には、ソラナが暗号資産投資家の関心の49.3%を集め、最も人気のあるエコシステムとなりました。

技術開発面でも、Firedancerという新しいバリデータクライアントの開発が進行中で、トランザクション処理能力のさらなる向上が期待されています。Visaとの提携により、USDCを用いたクロスボーダー決済の速度向上も注目されています。また、分散型物理インフラ(DePIN)プロジェクトへの参加など、ソラナはその技術的進化とエコシステムの拡大により、ブロックチェーン市場で注目を集めています。

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ソラナETFとは?いつ承認される?

ソラナETF

ソラナETFとは、暗号資産ソラナを基盤とした上場投資信託(ETF)で、投資家が証券取引所を通じてソラナに間接的に投資できる金融商品です。ETFは、特定の資産や資産グループの価格に連動するよう設計されており、投資家はその資産を直接保有することなく、その価格変動に対してエクスポージャーを得ることができます。ソラナETFの主なメリットは、暗号資産市場の複雑な技術的側面を避けながら、規制された市場での透明性と流動性を享受できる点にあります。特に、ウォレットの管理やセキュリティリスクを気にすることなく、ソラナに投資できるため、従来の投資家にとって魅力的な選択肢です。

ブラジルでは、2024年8月7日にソラナETFが同国の証券取引委員会(CVM)から予備承認を受けましたが、正式に運用を開始するには、ブラジルの証券取引所B3の最終承認が必要です。さらに、本稿執筆時点で米国においてソラナETFの申請を行っている主な企業は、VanEck21Sharesです。この2社が申請を行い、米国証券取引委員会(SEC)の審査を受けています。ソラナETFが承認されれば、シカゴ・オプション取引所(CBOE)などの証券取引所でソラナETFを購入できるようになる予定です。なお、SECの決定期限は2025年3月中旬となっています。

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ソラナETFの承認見込み:市場の動向と規制当局の姿勢

ソラナETFが米国で承認されるためには、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。SECは、ETFの認可を厳格に監督しており、ソラナがこれらの基準をクリアすることが求められます。

  1. 規制遵守:ソラナは、ETFの承認を得るために、既存の金融規制を厳格に遵守する必要があります。SECはソラナを有価証券と見なしており、これにより承認プロセスが複雑化しています。ソラナは、マネーロンダリング防止(AML)と顧客確認(KYC)プロトコルを確実に遵守し、資産の正当性と安全性をSECに証明しなければなりません。
  2. 市場の需要:ソラナは、ETFの需要と市場の成熟度を証明する必要があります。これは、取引量やアクティブウォレットの数を通じて、機関投資家や個人投資家からの強い関心を示すことが含まれます。
  3. カストディ・ソリューション:ソラナ資産の管理には、安全で信頼できるカストディ・ソリューションが不可欠です。ハッキングや盗難から保護するための強固なセキュリティ対策を備えたカストディアンの存在が、承認プロセスにおいて重要な役割を果たします。
  4. 流動性:高い流動性は、どのETFにとっても重要です。ソラナは、大きな価格変動を引き起こさずに大口取引を処理する能力を実証する必要があります。これは、取引量と時価総額を通じて評価されます。
  5. 透明性と報告:ソラナは、定期的で正確な報告により、透明性のある運用を確保する必要があります。これには、資産のパフォーマンスやガバナンス、投資家に影響を与える重要な変更に関する詳細な開示が含まれます。

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関係者の見解

ソラナの可能性について、業界の専門家たちは多様な見解を持っています。グレースケール・インベストメンツのCEO、マイケル・ソネンシャイン氏は、ソラナが既存の金融規制を遵守しつつ、イーサリアムに対して費用対効果の高いブロックチェーンであると評しています。

VanEckのデジタル資産リサーチ責任者であるマシュー・シゲル氏は、ソラナETFの承認には、SEC委員長であるゲーリー・ゲンスラー氏の姿勢が大きな影響を与えると指摘しています。同氏は、ゲンスラー委員長が暗号資産に対する規制をどのように扱うかが、ソラナETFの承認に直接関わると述べています。ゲンスラー氏はこれまで、バイナンスおよびコインベースに対する訴訟でSOLを証券出あると主張しています。また、シゲル氏は、暗号資産ETFの承認にはCME先物市場が必須ではないと主張しています。

一方でブラックロックのデジタル資産責任者であるロバート・ミトニック氏は、ソラナのような資産がETFとして承認されるためには、流動性や市場の成熟度が十分である必要があると強調しています。同氏は、ソラナの市場規模や流動性がまだ十分ではないため、ETF承認の見通しには慎重な姿勢を取っています。

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ソラナ(SOL)ETFが承認された場合の市場への影響と将来性

ソラナETFが米国で承認された場合、その影響は暗号資産市場全体に広がると予測されます。まず、ソラナの市場信頼性が向上し、これまで暗号資産に慎重だった機関投資家や個人投資家が参入する可能性が高まります。これにより、ソラナの取引量と時価総額が増加し、価格上昇が期待されます。

ブルームバーグのシニアアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、ソラナETFが承認されれば、他のアルトコインに対するETF承認の道を切り開く可能性があると強調しています。同氏は、ビットコインやイーサリアムのETFが市場に与えた影響を参考に、ソラナETFの承認が市場全体の成長を促進するきっかけになると予測しています。暗号資産マーケットメーカーのGSRマーケッツは、現物型ソラナETFが現物型ビットコインETFの資金流入の14%を取り込むと仮定した場合、SOL価格が「8.9倍」になると推定しています。

一方で、暗号資産リサーチ会社のKaikoの見解によると、ソラナETFのニュースによる市場反応は一時的な価格上昇をもたらしたものの、その後市場はすぐに落ち着いたとされています。これは、ソラナETFに対する期待が高まりつつも、持続的な影響がなかったことを反映しています。総じて、ソラナETFの承認は、暗号資産市場にとって重要な転機となる可能性がありますが、その実現には多くの課題が残されています。また、米国を含む各国でソラナのETFが承認され他場合においても日本で暗号資産ETFを購入できる制度が整っていないことを留意しなければなりません。

ソラナ価格予測

ソラナの最高値ソラナの最安値
2024年$312.57$42.25
2025年$197.36$103.64
2026年$327.00$44.20
2027年$683.02$478.11
2028年$1039.04$701.35
2029年$1395.06$906.79
2030年$1751.08$1094.43
2031年$1488.42$1050.65
2032年$1532.20$881.01
2033年$1313.31$722.32
2034年$1094.43$574.57
2035年$875.54$437.77
出典:BeInCrypto

ソラナの市場成長予測は強気で、2024年には42.25ドルまで下落する可能性がある一方、年末には312.57ドルに達する可能性もあります。2025年は103.64ドルから197.36ドルの範囲で価格変動が予想され、2030年には一時的な急騰とその後の調整が見込まれるものの、全体的な成長トレンドは続くとされています。特にDeFiやNFT市場の拡大が成長を後押しし、ヴァンエックは2030年までにソラナの価格が3200ドルに達する可能性があると予測しています。

まとめ

ソラナは、その高速でスケーラブルな技術により、イーサリアムキラーとしての存在感を急速に高めています。特に、ソラナを対象としたETFの承認が期待される中で、米国市場における承認プロセスが注目されています。VanEckや21Sharesが申請を行い、SECの審査が進行中ですが、ブラックロックのロバート・ミトニック氏が指摘するように、市場の流動性や成熟度が鍵を握ります。さらに、GSRマーケッツの試算では、ソラナETFがビットコインETFの一部資金を取り込むことで、SOL価格が大幅に上昇する可能性も示唆されています。今後、米国での承認が市場全体にどのような影響を及ぼすかが注目されます。

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Shota Oba
国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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