Liquity(レンディングプロトコル)のステーブルコイン、LUSDの姉妹トークンであるLQTYは、バイナンスが3月1日にLQTYをイノベーションゾーンに上場すると発表した後、取引量が劇増、103%上昇し2.78ドルに達した。
バイナンスがLQTYの入金を開始し、LQTY/BTCとLQTY/USDTのスポットペアを近々サポートすると発表した後、このトークンの取引量は過去24時間で3242%増加している。
LQTYは2月に2回目の2桁上昇を記録
今回のLQTYの急騰は、ニューヨーク州金融サービス局(NYSDFS)がフィアット(法定通貨)に裏付けられたステーブルコイン、BUSDの発行元パクソス(Paxos)に対し、BUSDの新規鋳造の停止を命じた後の2月初めの35%上昇に続くものとなる。NYSDFSはパクソスに対し、BUSDのブランドを持つ世界最大の取引所バイナンスとの関係を絶つよう命じていた。LQTYは、イーサリアム・ブロックチェーン上の分散型レンディングプロトコルであるLiquityのネイティブトークン。
このトークンの上昇は、2022年のTerraUSDの崩壊後、DAIやLQTYの姉妹コイン、LUSD等のアルゴリズム・ステーブルコインの、安全性に対する市場の認識を逆転させる可能性を示している。最近の米国のステーブルコインに関する法案では、USDTやUSDCのような法定通貨に裏打ちされたコインについてのみ規定が設けられている。ただし、これら2つの人気のあるステーブルコインは中央集権的な組織によって発行されているため、検閲や規制の対象となりやすく、規制当局が暗号資産をターゲットにしているなか、米国の顧客にとっては重要性が高まっている。
一方、LUSDは、米ドルとのペッグを維持するために分散型メカニズムに依存している。独自の償還メカニズムと、Liquityのローン発行手数料を調整するアルゴリズムによって、1ドルの価値を保持している。Liquityは、いわゆる「Stability Pool」にステーブルコインを入金してLUSDの安定に貢献するユーザーに対してLQTYを発行している。
LQTYの保有者は、トークンをステーク(預け入れ)して、Liquityのローン発行手数料と償還メカニズムを通じて発生する収益から報酬を得ることができる。
上記NYSDFSの命令以来、BUSDの時価総額は約60億ドル減少し、105億7,059万7,480ドルとなり、一方で保有者はBUSDを他のステーブルコインに交換することとなった。バイナンスのライバルであるコインベースは、昨日27日、今年3月13日にBUSDの取引を停止すると発表している。
バイナンスCEO、FTXとの比較に反論
一方、バイナンスのCEOは、バイナンスのユーザー資産の取り扱いに関する最近のフォーブスの記事について、BUSDをめぐる主張に異議を唱えた。
同記事の中で、フォーブスのライターは、ユーザーの預金を裏付けるウォレット内の資産が他の関係者に送られたことを示唆している。これに対してバイナンスのCEOは、「彼らは取引所の仕組みの基本を理解していないようだ。私たちのユーザーはいつでも自由に資産を引き出すことができる」と反論している。また、同CEOは顧客資金の不正流用疑惑で刑事告訴されているFTXとの比較も否定している。
他方、バイナンスの最高戦略責任者、パトリック・ヒルマン氏は、バイナンスがウォレットの記録とは別に、ユーザー資産の内部台帳を管理していることを認めている。フォーブスは、この二重の帳簿管理方式は、バイナンスがより透明性を高めようとする努力を台無しにしていると主張している。(これについて)注意すべき点は、銀行が顧客残高を管理しながらも、その資金を別の場所で高利を得るために使用する方法については触れていないことだ。
バイナンス側の弁護において、ジャオCEOは、バイナンスが2022年8月に資産の時価総額を膨らませるためにUSDC担保を清算してBUSDを発行したという主張があることには触れていない。また、昨年3回にわたって行われた顧客のUSDC預金の担保不足をめぐる質問にも答えていない。
バイナンスは、単一のブロックチェーンで使用するために、顧客が預けた暗号資産に関してバイナンスコインチェーンバージョンを(用いてトークンを)鋳造している。このいわゆる「B-Token」の裏付けとなる資産は、顧客資金を保有するウォレットとは別のウォレットに保有することになっている。しかし、最近、誤ってB-Tokenの準備金を顧客資金と混在させていたことが判明した。
バイナンスは、最近になって、B-Tokenを新たに鋳造するのは、予備のウォレットが預金の裏付けとなる十分な担保を保有している場合のみと発表している。
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