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米国発暗号資産に視線―25年クリスマス前の注目3銘柄

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Shigeki Mori

23日 12月 2025年 08:47 JST
Trusted-確かな情報源
  • カスパ(KAS)は、RSIの逆行が過去の74%パターンを再現し、逆相関パターンが$0.062〜$0.079を目標としている。
  • ユニスワップ(UNI)の手数料切り替えに関する投票はクリスマスに終了し、強気のEMAクロスオーバーが$6.49の上抜けを見込む。
  • ジーキャッシュ(ZEC)は大型投資家による9,300万ドルの引き出しがあり、価格が470ドル未満で推移する中、相場転換への期待が高まっている。
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2025年のクリスマス商戦を前に、暗号資産市場では米国発プロジェクトへの関心が静かに高まりつつある。関連銘柄の指数は直近1週間で2%超下落したものの、個別では価格動向やオンチェーンデータに変化の兆しが見られる銘柄も出始めた。短期的な需給悪化が意識されるなかでも、年末特有のイベント要因や取引動向を背景に、次の値動きを示唆する初期シグナルが浮上している。

市場参加者が注目するのは、価格の底堅さ、チャート構造の改善、時間軸の一致という3点である。2025年末にかけては話題先行型ではなく、データ面から年内の動静が示唆される銘柄に資金が向かいやすい。米国発の3つの暗号資産プロジェクトは、年明けを待たずに局面転換が生じる可能性を内包しており、クリスマス前後の市場動向を占う上での試金石となりそうだ。

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カスパ(KAS)

カスパ(KAS)は、短期で強さを見せる数少ないメイド・イン・USA銘柄の一つである。過去1か月でKASは約22%上昇。7日間・24時間チャートも共にプラス。一方で3か月では約41%下落中。この組み合わせは重要。全体としては下落傾向にありつつも短期の強さが現れ始めた局面は、逆転の初動としてよく見られるパターンである。

1つ目のシグナルはモメンタムに表れる。10月10日から12月18日にかけてカスパの価格は安値を切り下げたが、RSI(相対力指数)は逆に切り上げていた。RSIは勢いを測る指標。価格は弱含むのにRSIが上向く時、売り圧力は減退している。

10月10日から11月21日にも同様のRSIダイバージェンスが発生した。その後、KASは短期間で約74%上昇。このパターンは今回すでに価格が約18%上昇済みであり、理論上ではなく実際に動き出している。

KAS Price Analysis
KAS価格分析 出典: TradingView

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チャート構造も追い風となる。カスパはネックラインが切り上がる逆三尊パターンを形成中。この構造は、押し目ごとに購入者が早期に現れていることを意味する。まず注目すべきは0.062ドル。KAS価格がこれまで頭打ちになった水準だ。明確に上抜ければ、0.079ドル付近のネックラインまで上昇が狙える。その水準では再びモメンタムが試される。こうした観測から、カスパは現在クリスマス注目リスト入りとなっている。

Kaspa Price Levels
Kaspa価格水準 出典: TradingView
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リスクも明確。0.040ドルを割り込むとパターンが弱くなる。0.036ドル下抜けで強気シナリオは完全否定される。

ユニスワップ(UNI)

ユニスワップもクリスマス2025に向けて強さを見せるメイド・イン・USA銘柄の一つである。UNIは過去7日間で約15%上昇し、24時間では横ばいを維持。市場全体が揉み合う中でも底堅い。この相対的な強さが重要となる理由は、大きなガバナンスイベントがクリスマス当日に控えているためである。

長らく議論されてきたユニスワップの手数料切り替え提案の投票は、12月25日に終了予定。この提案が承認されれば、プロトコル手数料の有効化とUNIトークンのバーンが実装される。簡単に言えば、取引手数料の一部がUNIを市場から徐々に減らす仕組みになる。こうしたイベントは事前に市場に織り込まれやすく、直近のUNIの堅調推移の一因となっている。

チャートもこれを裏付ける。12時間足チャートで、UNIは100期間EMA(指数平滑移動平均線)を上回って推移。EMAは直近の値動きに重みを置いて価格推移を捉える指標。トレーダーはEMAのクロスをモメンタム転換のサインとして活用する。現在、20期間EMAが50期間EMAを上抜けしそうな局面で、短期的な強気シグナルとなる。

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価格水準は明確。6.49ドルを明確に上抜ければ、8.18ドルへの道が開ける。上昇幅は約29%。さらにモメンタムが続けば、10.35ドルが次の主要レジスタンスとなる。一方、6.03ドルが重要なサポート。ここを下抜けると「ニュースで売る」展開となり、4.86ドルが見えてくる。

Uniswap Price Analysis
Uniswap価格分析 出典: TradingView

クリスマスの投票とモメンタムの回復を受けて、UNIはイベント主導型のメイド・イン・USA銘柄として注目される存在である。

ジーキャッシュ(ZEC)

ジーキャッシュはクリスマス2025に向けて最後に注目すべきメイド・イン・USA銘柄である。その理由は「クジラが戻ってきた」点にある。

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オンチェーンデータによると、過去1日でバイナンスから2件の大型出金があった。一つのウォレットは20万2077ZEC(約9140万ドル相当)、もう一つは4257ZEC(約190万ドル相当)を出金。合計で9300万ドル超のZECが取引所から流出した。大量のコインが取引所から出る場合、売却準備ではなく蓄積の意思を示すことが多い。

このような動きが重要となるのは、Zcashの価格が狭いレンジで停滞しているためである。12月19日以降、ZECは423ドルから470ドルの間で推移し、何度も上抜けに失敗している。しかし、レンジは続くものの、足元で相場の構造は改善している。12時間足チャートを見ると、Zcashは主要なEMAの上で推移しており、20EMAと50EMAの強気なクロスオーバーが形成されつつある。このパターンが確認されれば、短期トレンドの強さが増しているサインとなる。

ZECが綺麗に12時間足で470ドルを明確に上抜けることができれば、このレンジからの上方ブレイクとなる。次の主要なレジスタンスは547ドルとなる。その動きに勢いが付けば、737ドル付近まで視野に入るが、それには市場全体のサポートも必要となる。

ZEC Price Analysis
ZEC価格分析 出典:TradingView

下落リスクも明確である。クジラの買いが弱まり、EMAクロスが失敗した場合、423ドルが依然として重要なサポートとなる。その下抜けは389ドルのリスクを示し、さらなる下落となれば302ドル付近まで下がる可能性もある。ここは過去に中長期の買いが入った水準である。

まとめると、Zcashは静かながらも転換点を迎えている。クジラの買い集め、EMA構造の改善、狭いレンジ推移により、今後数日が重要となる。クリスマス前にZECが上抜けるかどうかは、470ドルの水準次第である。

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