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JPYCとマツモト、ステーブルコインMOU締結でDAT構想加速=マツモト株はストップ高

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執筆&編集:
Shigeki Mori

17日 3月 2026年 14:37 JST
  • 東証スタンダード上場の印刷会社マツモト(7901)が、日本円ステーブルコイン「JPYC」発行元と基本合意書(MOU)を締結し、ブロックチェーンを活用した社会実験に向けた協議を開始した。
  • マツモト株は3月17日、MOU締結の発表を材料視した買いが殺到し、前日比26.25%高の1,443円のストップ高を記録。時価総額は約16億5100万円に達した。
  • 両社はJPYCをインセンティブとして設計・活用し、教育・地域・コミュニティ分野での新たな価値循環を目指すDAT構想の事業化に向けた具体的な検討を進める。
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東証スタンダード上場の印刷会社マツモトは16日、日本円建てステーブルコイン「JPYC」を発行するJPYC社との間で基本合意書(MOU)を締結した。ブロックチェーンとデジタルトークンを活用した「DAT(デジタルアセットトレジャリー)構想」の実現に向けた社会実験を推進するためのもの。翌17日、マツモト株はストップ高水準まで急伸し、市場の強い注目を集めた。

ステーブルコイン活用のDAT構想とは何か

マツモトは福岡県北九州市に本社を置く印刷会社で、卒業アルバムや文集、一般商業印刷などを手掛ける東証スタンダード上場企業。同社は2025年1月、デジタル技術やトークンを活用し、教育・地域・コミュニティ等の分野において新たな価値循環の創出を目指す「DAT(デジタルアセットトレジャリー)構想」の策定に着手すると発表していた。当初はソラナ(Solana)ブロックチェーンとそのネイティブトークンSOLを中心に、個人やチームの活動履歴を改ざん耐性のあるデジタル証明として記録・管理する仕組みの構築を研究していた。

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今回のMOUはこのDAT構想の推進の一環として締結されたもの。JPYC社は日本円にペッグした円建てステーブルコインJPYCを発行する企業で、MOU締結によって両社が協議を進める内容は、「JPYCのステーブルコインを利用したDAT構想実現に向けての社会実験の早期立ち上げ」「ステーブルコインのインセンティブとしての設計構築の協議」「DAT構想収益化に向けての協議」の3点とされている。

ストップ高を記録したマツモト株の動向

MOU締結の発表を受け、マツモト(7901)の株価は3月17日に急騰した。同日の株価は前日終値1,143円に対し、始値1,263円で寄り付いた後、値幅制限の上限である1,443円のストップ高に到達し、前日比で300円高(+26.25%)を記録した。出来高は249,400株に膨らんだ。

ストップ高となったマツモト株価:Yahooファイナンス

なお、同社は3月16日に2026年4月期第3四半期累計(2025年5月〜2026年1月)の単独決算も発表している。売上高は前年同期比7.2%減の6億5700万円、最終損益は2億2700万円の赤字(前年同期は5億6700万円の最終赤字)だった。赤字幅は縮小しているものの、営業活動によるキャッシュフローのマイナスが3期連続で続いており、財務面での不安定さは払拭されていない。市場はこうした業績の実態よりも、暗号資産・ブロックチェーン関連の材料を強く評価した格好だ。

Web3事業への積極展開と今後の展望

マツモトのブロックチェーン・Web3領域への取り組みは今に始まったものではない。2023年11月にはWeb3マーケットプレイス「ShinoVi」でBookNFTの販売を開始し、2024年3月にはアバランチ(Avalanche)のエコシステムを通じたゲーム開発・販売も発表している。NTTデジタルとの連携による卒業アルバムへのブロックチェーン技術活用も手掛けており、印刷業という本業の強みとデジタル技術を組み合わせた事業モデルの構築を目指してきた。

今回のJPYC社とのMOUはその延長線上にある。両社は本基本合意に基づき、ステーブルコインを活用した社会実験の実施に向けた具体的な検討を進めるとともに、DAT構想の事業化およびサービス展開の可能性について協議を継続するとしている。ただし、MOU(基本合意書)は拘束力のある契約ではなく、今後の協議次第では計画が変更・中断となる可能性もある点には留意が必要だ。ステーブルコインを活用した地域・教育分野での新たなビジネスモデルが具体化するかどうか、今後の進展が注目される。

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