ミームコインの市場支配率が1年半ぶりの低水準に落ち込んだ。市場では、イーサリアム(ETH)がビットコイン(BTC)を上回るパフォーマンスを示し、資金を吸収する「イーサリアムシーズン」入りとの見方が強まっている。一方で専門家は、市場サイクルの進行によって再び資金が流入すれば、ミームコインが急伸する可能性もあると指摘している。
ETHへの資金集中で支配力低下
Sponsoredブロックチェーン分析企業CryptoQuantによると、ミームコインの市場支配率はアルトコイン市場全体で0.039まで低下し、2024年2月以来の水準となった。

アナリストはSNS「X」への投稿で、ETHがアルト市場を牽引し、流動性を吸収していることが主因と説明。結果として、ETHに資本が集中し、他のアルトコインやミームコインへの資金流入が細っているという。
今は明らかにミームコインのシーズンではなく、仮に上昇する銘柄があってもごく例外的な動きにとどまる ― 投稿
こうした動きは、市場参加者が指摘する「完全なアルトシーズン」ではなく、「イーサリアムシーズン」との見方に合致する。ETHはBTCを上回る値動きを示し、他のアルト資産の存在感を相対的に弱めている。
我々は今イーサリアムシーズンにあり、流動性の大半がETHに流入している。アルトシーズンは、小売流動性がETHの過去最高値更新後に入ってくる ― Cas Abbé氏
データもこの傾向を裏付ける。ミームコインの時価総額は4月の底値から79.5%上昇し710億ドルを超えたが、ETHの伸びには及ばなかった。
同期間にETHの時価総額は215.91%増加し、1774億9000万ドルから5607億ドルへ拡大。8月に入ってもETHは25.41%上昇したのに対し、ドージコイン(DOGE)は10.48%、柴犬コイン(SHIB)は4.58%、ペペ(PEPE)は7.31%の上昇にとどまった。
Sponsored
ミームコインシーズンの到来時期
専門家は市場の4段階サイクルを提示し、現在はETH主導の第2フェーズにあると分析している。
この瞬間を何年も待っていた。ETHは第2フェーズ、イーサリアムシーズンに突入。史上最大の上昇はここから始まる

次の第3フェーズではETHがBTCを上回り、大型アルトが大きく成長。最終の第4フェーズはアルトシーズンと呼ばれ、中小型・マイクロキャップ・ミームコインまで広範な上昇が波及する。
アルトは今まさに離陸を始めたところで、ミームコインは常に最後に動く
このため支配力は低下しているものの、ミームコイン市場の周期性と成長余地は回復の可能性を残している。ただし、それが実現するか、もしくは機関投資家の影響で市場構造が変質しているのかはなお不透明だ。