東証スタンダード上場のビットコイン財務企業メタプラネット(3350)は5日、2025年12月の自己株式取得状況と新株予約権の行使状況を開示した。最大750億円の自己株式取得枠を設定したものの、12月の買付実績はゼロだった。
一方、EVO FUND向けに発行していた新株予約権3件は全額消却を完了した。同日の株価は前日比15.56%高の468円で取引を終え、年初から大幅な上昇を記録している。株価急騰の背景には、昨年末に発表した4279BTCの大規模追加購入と業績上方修正への期待がある。
Sponsored自社株買い見送りでも資本政策は進展
メタプラネットは2025年10月28日の取締役会で、発行済株式総数の13.13%に相当する1億5000万株、取得価額750億円を上限とする大規模な自己株式取得枠を決議していた。取得期間は2026年10月28日までの1年間で、東京証券取引所における取引一任契約に基づく市場買付を予定していた。
しかし、取得開始初月となった2025年12月1日から同31日までの期間において、実際の買付は行われなかった。既存の自己株式は2万6311株にとどまり、同社は慎重な姿勢を維持している。自社株買いの実施は見送られたものの、同社の資本政策は別の形で進展している。
同社は2025年6月にEVO FUNDを割当先として発行した第20回から第22回までの新株予約権について、12月末時点での未行使残高がすべてゼロになったと発表した。11月末時点では第20回が2844万株相当、第21回と第22回がそれぞれ1億8500万株相当の未行使残高があったが、11月28日以降は行使を停止し、12月8日に取得および消却の手続きを完了した。これは2025年11月20日付で開示された資金調達手段のリファイナンスに伴うもので、新たに第23回および第24回の新株予約権が発行されている。
BTC追加購入と業績修正が株価押し上げ
1月5日の取引でメタプラネット株は前日比63円高の468円(3.11ドル)で終了し、前日比+15.56%、前週比+19.16%の大幅上昇を記録した。この株価急騰の主要因は、年末に相次いで発表された好材料にあると見られている。
同社は2025年12月30日、第4四半期にビットコイン4279枚を平均購入価格1632万5148円で取得し、購入総額が698億5500万円に達したと発表した。これにより、保有ビットコイン総数は3万5102枚に達し、購入総額は5597億2600万円となった。平均購入価格は1594万5691円。
同社は第4四半期中にビットコインを担保とするクレジット・ファシリティを複数締結し、総額2億8000万米ドル(約280億円)の借入を実行した。また、12月29日には第19回普通社債の残存額37億5000万円を全額償還し、同日にB種優先株式2361万株の払込完了により212億4900万円を調達した。これらの資金調達を活用し、積極的なビットコイン購入を継続している。
同社の2025年10月1日から12月30日までのBTCイールドは11.9%となり、BTCゲインは3672BTC、BTC円ゲインは505億6200万円に達した。年間を通じたBTCイールドは、第1四半期309.8%、第2四半期95.6%、第3四半期129.4%、第4四半期33.0%と推移し、積極的な買い増しを続けてきた実績がある。
ビットコイン停滞下でも独自の上昇軌道
市場の注目点は、ビットコイン価格が軟調に推移する中でメタプラネット株が独自の強さを見せていることである。2025年のビットコイン相場は年初9万3507ドルから10月に史上最高値12万6000ドルまで高騰したが、年末にかけて売り圧力が強まり、8万8000ドル台で越年した。年間を通じてマイナス成長という厳しい結果となった。
対照的にメタプラネット株は2025年1月6日時点の375円から6月に一時1,800円まで急騰しすぐに急落した。年末は最高値から約78%下落した402円で着地したものの、年初価格との比較ではプラスのリターンを確保した。2026年に入ってからは上昇基調を強め、5日には468円まで回復している。
市場関係者の間では、年間投資成績においてメタプラネットがビットコインを上回るパフォーマンスを残したことが再評価されている。同社は2027年までに21万BTCを取得する野心的な目標を掲げており、現在の保有数3万5102BTCからの大幅な積み増しを目指している。年末の大規模購入発表と業績上方修正が重なり、投資家の期待が高まったことが、年初からの株価急騰につながったとみられる。