ハッカーは先週、バイナンスから約63億ドルを盗み出した。ストラテジーのマイケル・セイラー会長は、今後は人工知能(AI)に武装した攻撃者が顧客資産を保有する脆弱なソフトウェアを狙うと警告する。
このリスクは、取引所にコインを預ける全ての利用者に及ぶ。バイナンスは、盗難に遭った資産の大部分を準備金から補填したと説明するが、侵害のきっかけは古典的な手口である偽の就職面接だった。
セイラー会長が「取引所ソフトが狙われる理由」を指摘
セイラー会長は、主な資産がビットコイン(BTC)であるストラテジーを率いる。同氏はサンパウロのOranjeBTCサミットで、バイナンスおよびブラジルで発生した2件目のハッキングについて質問を受けた。
11月2日、セキュリティ企業ハイパーネイティブは、ブラジルの取引所メルカド・ビットコインで不審な資金移動が4000万ドル超に上ると警告した。
セイラー会長は、AnthropicやOpenAIなどの先端研究所が開発したフロンティアAIモデルにより、ハッカーの能力が大幅に向上したと語った。
「真の脅威は、テストやセキュリティ対策が不十分な新ソフトウェアを標的にする、極めて集中したAIハッカーの存在である。こうしたソフトが急いでリリースされた場合、狙われやすい。」
同氏は、暗号資産取引所、銀行、カストディアンに対し、こうしたAIモデルを自社システムに毎日適用し検証するよう呼びかけた。
「ビットコイン自体は堅牢だ。しかし、脆弱で作りの甘いデジタル商取引ソフトは必ずハッキングされる。」
また、イーサリアムやソラナ、カルダノの新機能追加は、攻撃者にとって新たな侵入口となるとも指摘した。
バイナンスの流出事件にAIは関与したのか
バイナンスは、偽のリクルーターがエンジニアに偽の求人「課題」をダウンロードさせたと説明している。
攻撃者はその後、バイナンス社内のAIツールを利用して他スタッフのアカウントを乗っ取った。しかし、今回の攻撃の中心は一般的なフィッシングであったとFortuneは報じている。
米連邦捜査局(FBI)は北朝鮮による犯行と断定。TRMラボは、FBIが2025年のバイビット流出(15億ドル)で名指ししたトレーダートレイター部隊と関連付けた。
テザーとサークルは、米ドルに連動したステーブルコインの盗難分を凍結した。
バイナンスは今後、AIを活用した脅威検知を拡充する考えだ。一方、インドのサイバー機関は11月4日、AIを利用したハッカー集団による暗号資産取引所からのウォレットキー窃取に警戒を促した。
今後の注目点は、修復作業が終わり次第公開される予定の、「保有資産証明(PoR)」の最新内容となる。この証明でバイナンスが預かり資産を保持しているかを第三者が確認する。











