エリック・アダムスがニューヨーク市長選から撤退し、同市は最も声高な暗号資産の支持者を失った。明確な本命とされるゾーラン・マムダニは、業界に対して曖昧もしくはやや批判的な姿勢を見せている。
それでも、ニューヨーク市の暗号資産コミュニティの多くは、マムダニが露骨に敵対的な対応を取ることはないとみている。業界は最大の擁護者を失う可能性がある一方、彼の野心的な経済アジェンダの下で新たな機会が生まれる余地もある。
ニューヨークの暗号資産候補者
Sponsoredゾーラン・マムダニのニューヨーク市長予備選での番狂わせ以降、一般選挙は世界的な関心を集めている。
暗号資産政策は有権者の最優先課題ではなかったが、エリック・アダムスの撤退により、業界は最も積極的な支持者を失った公算が大きい。
現職のアダムスは、新たな支持基盤を広げる狙いから暗号資産への強い支持を公言してきた。ニューヨークには依然として暗号資産に厳しい法律が残り、アダムスはこれに対抗する姿勢を示していた。
しかし、4年の任期でBitLicense要件などの規制撤廃を実現するには至らなかった。
結果として、暗号資産政策への強い関心は、寄付者や有権者の支持を十分に引き寄せる力とはならなかった。とりわけ、彼のスキャンダル続きの政権が逆風となった。
マムダニ氏は本物の対抗者か
では、米国金融の中心であるニューヨークのWeb3規制にどのような影響を与えるのか。明確な暗号資産擁護者がいないなか、ゾーラン・マムダニが圧倒的な本命とみられている。
Sponsoredマムダニは明確な政策を示しておらず、断片的な情報からは軽い懐疑姿勢もうかがえる。特に、意図的とも受け取れる沈黙は注目に値する。
業界に言及した場面でも、肯定的な論調は多くない。たとえば、彼はアンドリュー・クオモへの攻撃広告で、暗号資産との関係を批判材料の一つとして取り上げた。
もっとも、公平に言えば、暗号資産と不祥事の結び付きは反トランプ層にとって強い関心事でもあり、同広告は反暗号資産そのものの演説とは言い難い。それでも、彼が肯定的に語った例はほとんどない。
ゾーランの暗号資産支持者
それでも、ニューヨークの暗号資産支持者にとって、この軽い懐疑は致命的な障害にならない可能性がある。BeInCryptoはマムダニ陣営について住民や専門家に取材し、実際に彼へ投票したと語る人もいた。
明らかに、暗号資産政策での一定の曖昧さは、支持の可否を左右する決定的要因ではない。
マムダニは支持の厚い経済アジェンダを掲げており、反暗号資産の急先鋒でもない。たとえ業界全体と距離を置いたとしても、大規模な取り締まりを示唆しているわけではない。
ニューヨークの暗号資産支持者は、彼の政策パッケージによる恩恵が潜在的なリスクを上回ると判断する可能性がある。
結局のところ、ゾーラン・マムダニが曖昧なスタンスを維持するかどうかにかかわらず、彼の当選はほぼ確実視されている。