日経平均株価は5日、前日比475円32銭(0.88%)安の5万3818円04銭と2日連続で値下がりした。前日の米株式市場でハイテク株が下落した流れを受け、半導体関連銘柄を中心に売りが優勢となった。ビットコインや銀など投機的資産の急落も背景に、一部投資家の間でリスク回避姿勢が強まった。一方で東証プライム銘柄の7割超は上昇し、国内企業の堅調な決算が相場を下支えした。
Sponsored米ハイテク株の調整が主要因
東京株式市場の下落は、前日の米国株式市場でハイテク株が売られた流れを引き継いだことが主因と見られる。2026年1月下旬から2月上旬にかけて、アルファベット、マイクロソフト、メタなど大手ハイテク企業の決算発表が集中し、市場ではAI関連の巨額設備投資に見合う収益が生み出されているかが焦点となっている。
特にマイクロソフトは1月末の決算発表後に株価が急落した。AI事業への巨額投資が嫌気され、AI投資の持続性に対する懸念が市場で広がった。トランプ大統領が1月30日に次期FRB議長候補としてケビン・ウォーシュ元理事を指名したことも、金融緩和に慎重なタカ派との印象から投資家心理を冷やす要因となった。
市場関係者によれば、2月は米国株式市場で過去のデータ上、12カ月中で9月に次いで成績が悪い月とされる。2000年から2025年のデータでは2月の平均騰落率はマイナス0.50%で、2023年2月はマイナス2.61%、2025年2月はマイナス1.42%と下落傾向が強い。このジンクスも投資家の警戒感を高めている。
ビットコイン急落が市場心理に影響
ビットコインの価格変動も、投資家のリスク回避姿勢を強める一因となった。ビットコインは1月に10万ドル到達に失敗し、8万1000ドル台まで急落。特に1月下旬には4日間で12.2億ドルの現物ETF資金流出が発生し、市場全体で17億ドル規模のレバレッジポジションが清算された。2月5日時点のビットコイン価格は7万ドルから7万2000ドル台で推移している。
Sponsored暗号資産市場では、米政府機関の再閉鎖リスクやイラン情勢の緊張などマクロ経済の不確実性が重石となっている。市場アナリストは「FRB次期議長人事を巡る不確実性とマクロ経済懸念が重なり、ビットコインを含むリスク資産全般から資金が流出している」と指摘する。
銀価格も同様の動きを見せた。国際指標であるニューヨーク銀先物は1月30日、前日比26%安と過去最大の下落率を記録。1月29日に史上最高値の121.67ドルまで上昇していたが、わずか20時間足らずで40ドル余り急落した。国内市場でも田中貴金属の店頭小売価格は、1月30日の1グラムあたり650円前後から2月5日には505.34円まで下落している。
国内企業業績は堅調も先行き不透明
東京証券取引所では、米ハイテク株下落の流れを受けて日経平均への影響度が大きい半導体関連銘柄が値下がりした。東証株価指数(TOPIX)は3.17ポイント(0.09%)安の3652.41と、下落幅は限定的だった。
注目すべきは、東証プライム銘柄の7割超が上昇した点である。国内企業の2025年4〜12月期決算は堅調な業績や見通しを示す内容が多く、日本企業のファンダメンタルズの強さが確認された。
一方で、今後の株式市場は米国市場の動向に大きく左右される可能性が高い。2月6日に発表される米国1月雇用統計で労働市場の強さが確認された場合、タカ派のウォーシュ氏の次期FRB議長指名もあって利下げ期待が後退し、日本株にも下落圧力がかかる懸念がある。
暗号資産市場では長期的な制度整備が進んでいる。1月にフロリダ州議会が州のバランスシートにビットコインを組み入れる法案を提出し、テキサス州では約500万ドル相当の初期投資による州のビットコイン準備金が承認されるなど、制度面での前進が見られる。市場では、ビットコインの価格は2026年末までに10万ドルから30万ドルのレンジで推移するとの予測もあるが、規制動向やマクロ経済環境次第で大きく変動する可能性が高い。