Solanaブロックチェーン上でオープンソースソフトウェア開発への貢献を促進するNFTカードゲーム「Buidlers Guild」において、火属性カードデザイン22種類が29日、公開された。同ゲームは、分散型自律組織(DAO)の仕組みを活用し、開発者・投資家・広報担当者が協働でオープンソースプロジェクトを支援する新たなエコシステムの構築を進めている。今回の発表により、火属性カードのすべてのデザインが公開された状態となった。
オープンソース支援の構造的課題に着目
オランダ・アムステルダムを拠点とするELSOUL LABO B.V.が運営するEpics DAOは、オープンソースソフトウェアが抱える構造的課題への対処を目的としている。オープンソースソフトウェアは現代のソフトウェア開発において不可欠な基盤となっているが、その多くがボランティアベースで維持されており、適切なメンテナンスや継続的な開発のためのリソースが不足している状況が続いている。
SponsoredEpics DAOは、この課題が「不可視性」に起因すると分析している。オープンソース開発の重要性は理解されているものの、実際に行われている作業の存在や価値が広く認知されていないため、評価や支援が集まりにくい構造が生まれているという。同組織は、ブロックチェーン技術とゲーミフィケーションを組み合わせることで、この構造的問題の解決を試みている。
NFTカードゲームによるインセンティブ設計
「Buidlers Guild」は、オープンソースプラットフォームへの貢献に対してNFTカードパックを報酬として提供する仕組みを採用している。カードパックは貢献の種類によって異なり、開発者専用のパックも存在する。この設計により、開発作業が進まなければ市場に流通しないカードが生まれ、他のプレイヤーにも開発者の参加を促すインセンティブが働く構造となっている。
今回公開された火属性カードは、InvestorパックとDegenパックに収録されているカードが対象である。同ゲームは対戦型カードゲームとして設計されており、ユーザーは取得したカードを用いてデッキを編成し、対戦を行うことができる。カードパックはSolanaブロックチェーン上のNFTマーケットプレイスであるMagic Edenなどで取引されている。
ブロックチェーン活用による新たな価値循環モデル
Epics DAOは2022年のSolanaサマーキャンプハッカソンにおいて、DAOsトラック部門で5位に入賞した実績を持つ。同組織は、オープンソースプロジェクトとの限定コラボNFTカードのミントによる資金調達と、NFT対戦カードゲームのエコシステムを組み合わせることで、開発者・支援者・コミュニティが参加しやすい価値循環モデルの構築を目指している。
同プラットフォームでは、GitHubのissue解決に対してトークン報酬を提供する分散型クラウドソーシングの仕組みも実装されている。また、Buidlers Collective(BDLC)NFTのステーキング機能により、保有者は報酬を獲得しながら同額をオープンソースプロジェクトに寄付する「No Loss Donation」の仕組みも提供されている。今後も新カードの発表や新プラットフォームへの移行に関する情報が順次公開される予定。