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OpenAIはAMDとの提携でチップメーカーの独占を防ぐのか

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編集:
Shota Oba

07日 10月 2025年 01:15 JST
Trusted-確かな情報源
  • OpenAIの大規模なAMDへの投資が、同社の時価総額を1,000億ドル押し上げ、記録的な取引への憶測を呼んでいる。
  • AI企業は、AMDとNvidiaとの大規模な取引で競争を維持し、独占的な支配を防ぐことを目指している。
  • OpenAIはGPUの提携を多様化することで、米国のAI革新を守り、単一のチッププロバイダーへの過度な依存から生じるリスクを軽減している。
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OpenAIは6日、AMDへの大規模投資を発表し、同社の時価総額を約10兆円押し上げた。これにより、AMDは急成長を続けるNvidiaに対抗するための競争力を再び確保できる可能性がある。

同時に、OpenAIは世界最大級のテック企業であるNvidiaに対しても1兆円規模の投資を検討中だ。両社を支援することで、AI開発を主導するOpenAIは、業界内の過度な集中を防ぎ、独占がイノベーションを阻害する事態を回避しようとしているとみられる。

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OpenAIとAMDの契約

OpenAIは今朝、米半導体メーカーのAMDと6ギガワット規模のGPU導入に関する包括的契約を発表した。このニュースを受けてAMD株は急騰し、一部ではロビンフッドのシステム障害を引き起こしたとの見方も浮上している。

この勢いが続けば、AMDは今後、株式市場で記録的な取引高を達成する可能性もある。

一方で、アナリストの一部はこの取引をより深く分析している。OpenAIのサム・アルトマンCEOは、今回の契約を「AIの可能性を最大化するための大きな一歩」と称したが、背後には競争環境を維持するという戦略的意図も見え隠れする。

AMDとNvidiaは、長年にわたり米半導体市場で熾烈な競争を繰り広げてきた。OpenAIは、Nvidia一強の構図を防ぐためにAMDを支援している可能性がある。

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Nvidiaの躍進

わずか2週間前、OpenAIはNvidiaとの1兆円規模の契約を締結しており、この発表を受けてNvidiaの時価総額は約17兆7000億円上昇した。NvidiaはAI分野で他の主要パートナーとも提携を強化しており、長期的には同分野の支配的地位を固める構えだ。

Nvidiaは「マグニフィセント7」の一角として市場を牽引する存在だが、AMDの株価は過去1か月間、横ばい状態が続いていた。しかし今回、OpenAIによる大型パートナーシップが追い風となり、AMD株は大幅に上昇した。

AMD Price Performance
AMD株価推移 出典:Google Finance

結果として、OpenAIの投資はAMDにとって強力なテコ入れとなり、Nvidiaの独走を抑えるブレーキ役を果たす可能性がある。もっとも、AI分野で存在感を保つには、莫大なAI向け資本支出の一部を確保し続けることが不可欠だ。

独占のリスクと多様化の意義

さらに、中国のチップメーカーも独自の技術革新を実現し、Nvidiaを中国国内市場から実質的に排除している。

もし米国のチップ産業が寡占化に向かえば、イノベーション停滞はAIサプライチェーン全体に深刻な影響を及ぼすだろう。

その意味で、OpenAIによるAMD支援は、AI業界の健全な競争環境を維持するうえで重要な一手だ。ハードウェア供給を1社に依存しないことで、OpenAIはリスク分散を図り、米国内で持続的な競争構造を保とうとしている。現在、一部ではAIバブル懸念が広がっているが、今回の投資はその“過熱リスク”を和らげる一助となるかもしれない。

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