ChatGPTの開発元OpenAIのサム・アルトマンCEOは18日、同社の退社を発表した。事実上の解任とみられ、18日現在はミラ・ムラティCTOが暫定CEOに就任している。今後は新CEOの人選もおこなう。
同社は声明で「OpenAIは、人工知能がすべての人類に対する利益の享受を保証するという使命のもとに立ち上げられた。アルトマン氏の退社は、彼が取締役会とのコミュニケーションで一貫して率直でなかったためだ。取締役会による慎重なレビュープロセスに基づいている。取締役会は、彼がOpenAIのリーダーとして続けられるという自信を持っていない」と述べた。
OpenAIはムラティCTOの暫定CEOの就任に関して「同社の研究、製品、安全機能のリーダーとして、ミラ氏は暫定CEOとしての役割に適任である。我々は、移行期間中、彼女がOpenAIを率いる能力を最大限に信頼している」と付け加えた。
アルトマン氏はOpenAIの退社を受け、「OpenAIでの私の時間は、個人的には変革的であり、少しは世界にとってもそうであったことを願っている。今後何をするかについて、後で詳しく話すことになる」とX上で語った。同社のグレッグ・ブロックマン共同創設者は同社の声明では「取締役会の議長を辞任するが、同社には留まることになる」とされていたが報道から数時間後Xに「報道をうけて退社することとした」と投稿した。
OpenAIの取締役会には、同社イリヤ・スツケヴァー 最高科学責任者、Quora アダム・D’アンジェロCEO、技術起業家ターシャ・マッコーリー氏、ジョージタウン大学セキュリティー・新興技術センターのヘレン・トーナー氏が含まれる。アルトマン氏が解任された具体的な背景は明らかになっていない。
アルトマン氏15年に起業家のイーロン・マスク氏らと非営利団体としてOpenAIを創設。ChatGPTは登場以降人気を博し、OpenAIは16日、同社新製品の高まる需要を受けサブスクリプションサービスのChatGPT Plusの新規登録を一時停止した。同氏は13日、英フィナンシャルタイムのインタビューでGPT-5および、AGI(人工汎用知能)の開発を行っていると明かしていた。OpenAIは8月には、GPT-5の商標権を米国特許商標庁(USPTO)に提出している。
同氏は5月にAIの専門家らとともに、AIによる人類の絶滅リスクを軽減することが、パンデミックや核戦争と同様の世界規模のリスクとして全世界の優先課題にすべきとの声明を公表していた。OpenAIは、AIの乱用を防ぐために生成画像の判定精度が99%に達するディープフェイク検出ツールを開発中であると明かしている。
OpenAI以外でも技術発展を試みるアルトマン氏
同氏は9月、元アップルのサー・ジョニー・アイヴデザイン責任者とソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長とともに「AIのiPhone」の制作を掲げ、AIを駆使した端末を開発する会社の立ち上げに向け協議をしていると報じられた。アルトマン氏はまた、9に発表されたAIを活用したウェアラブル端末「Ai Pin」を開発する米スタートアップHumaneの筆頭株主でもある。
ワールドコインは急落
同氏は暗号資産(仮想通貨)ワールドコイン(WLD)を手掛けていることでも知られる。ワールドコインは7月に各種暗号資産取引所に上場。同プロジェクトの本人認証にはOrbという独自の球形の装置を使用する。Orbでは個人に固有の虹彩のパターンを認識し、ユーザーが「人間である」ことを認識することで仮想通貨WLDが分配される独自の仕組みを採用。5月にはシリーズCラウンドで下落相場では異例の1億1500万ドルの資金調達を完了していた。ワールドコインは同報道を受け前日比10.9%下落している。
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