ChatGPTの開発を行うOpenAIは5日、独自の人工知能(AI)チップを作成を検討しており、買収ターゲットの評価まで進んでいると、同社の計画に詳しい関係者が述べた。ロイター通信が報じた。
情報筋によると、同社はまだ具体的な決定していないが、少なくとも22年からAIチップの不足解消の策として企業買収などを検討しているという。選択肢には、独自のAIチップの開発、Nvidiaとの連携強化、そしてサプライヤーの多様化が含まれている。OpenAIは買収ターゲットに対するデューデリジェンスを実施する段階まで検討していたというが、企業の詳細は明らかにしていない。
同社のサム・アルトマンCEOは、より多くのAIチップの取得を企業の最重要事項と位置付けており、Nvidiaが支配するグラフィックス処理ユニット市場に不満を表明している。ChatGPTのローンチ以来、特殊なAIチップの需要が急増している。Nvidiaは有用なAIチップを製造する数少ないチップメーカーの1つであり、市場の売上の95%を占めている。
20年以降、OpenAIはマイクロソフトの支援のもと、大規模なスーパーコンピュータで生成型AI技術を開発してきた。同社が使用するスーパーコンピュータはNvidiaのグラフィックス処理ユニット(GPU) 1万個を使用している。ChatGPTの運用は企業にとって高額で、印FirstPostの8月の報道によれば、同社の日々の運営コストが70万ドルと高額で、同月時点で約540億円の損失が出ているとされる。
独自のチップを開発する場合には数億ドルのコストがかかると見られる。カスタムチップの計画、買収を含め、実現までには数年かかる見通しであり、同社はその間、NvidiaやAdvanced Micro Devices(AMD)などの商業プロバイダーに依存することになる。
最近のOpenAIの動向は?
OpenAIはこのほど、元アップルのサー・ジョニー・アイヴデザイン責任者とソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長とともに「AIのiPhone」の制作を掲げ、AIを駆使した端末を開発する会社の立ち上げに向け協議中であることが明らかにした。ウォールストリート・ジャーナルによれば、OpenAIは株式売り出しを検討中で、企業価値は800億から900億ドルと見積もっている。これが実現すれば、OpenAIは世界で最も価値のあるスタートアップとなる可能性がある。サム・アルトマンCEOは、今後の収益増加を投資家に約束しており、2024年には10億ドルの収益を見込んでいる。一方でOpenAIは8月、米ソフト開発新興企業Global Illuminationを買収。OpenAI創業以来初の公開企業買収となり、買収総額などの詳細は非公表としている。
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