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PayPay、3月12日にNASDAQ上場へ=地政学リスクで延期も企業評価額は約2兆円

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執筆&編集:
Shigeki Mori

05日 3月 2026年 13:13 JST
  • PayPayはNASDAQ上場(ティッカー:PAYP)に向け約11億ドルの資金調達を目指し、上場日は3月12日(日本時間23時)が予定されている。
  • 企業評価額は最大約134億ドル(約2兆円)と日本企業の米国上場として過去最大級の規模となる見通しで、中東情勢を受けたロードショー延期にもかかわらず上場スケジュールは維持されている。
  • Binance Japan株の40%を保有するなど暗号資産分野にも展開しており、IPO成功は同業界への資金流入を促す可能性がある。
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ソフトバンクグループ傘下のPayPayが米NASDAQへの新規株式公開(IPO)を推進し、上場日は3月12日(日本時間23時)が予定されている。企業評価額は最大約134億ドル(約2兆円)に達する見通しで、日本企業による米国上場として過去最大級の規模となる可能性がある。中東情勢に起因する地政学リスクがグローバル市場に急変動をもたらし、ロードショーは一時延期されたが、上場スケジュール自体は現時点で変更されていない。国内では3月7日まで抽選申込が受け付けられており、個人投資家の関心も高まっている。

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PayPay NASDAQへのIPO:最大11億ドルの資金調達計画

PayPayは米NASDAQ市場への上場に向け、ティッカーシンボル「PAYP」で米国預託証券(ADS/ADR)形式による株式公開を計画している。発行規模はPayPay本体が約3,105万株、ソフトバンク系ファンドなど既存株主が約2,393万株を売り出す合計約5,500万株(ADS)を想定する。1株あたりの価格レンジは17〜20米ドルで、上限価格ベースでの調達額は約11億米ドル(約1,650億円)に達する計算だ。

企業評価額は上限価格ベースで約134億米ドル(約2兆円規模)と試算されており、日本企業による米国上場としては過去最大級となる可能性がある。主幹事にはゴールドマン・サックスモルガン・スタンレーJPモルガン、みずほ証券が名を連ねる。また、カタール投資庁(QIA)やアブダビ投資庁(ADIA)といった中東の政府系ファンドがコーナーストーン投資家(上場承認時に、相当額の株式取得を約束する投資家)として数百億円規模の参加意向を示している。

フィンテック専門ジャーナリストのフランク・チャパーロ氏は、「SoftBank支援のPayPayが市場の乱高下にもかかわらず最大134億ドルの評価でIPOを推進するのは驚き。成功すれば不安定なIPO市場を安定させる可能性があり、日本企業による大型米国上場として注目だ」と語っているほか、国内外で同社のIPOへの期待は高まっている。

地政学リスクがロードショーを一時延期、上場日は3月12日を維持

PayPayは2026年3月2日にSEC(米証券取引委員会)へ目論見書(Form F-1)を提出したが、米・イラン関係を中心とした中東情勢の緊張がグローバル市場に急変動をもたらし、機関投資家向けロードショーの開始が延期された。ただし、上場日そのものは3月12日(日本時間23時、米国時間同日10時)は維持されている。

この地政学リスク禍の中、IPO専門リサーチ機関Renaissance Capitalは3日、「PayPayのIPOは市場の不安定さ(ボラティリティ、地政学リスク)で多くの企業が待機中。理想的な市場を待つ企業が多いが、長く待つことになる。強いデビューが投資家信頼を回復させる可能性はあるが、現状は厳しいタイミング」と、米国での状況を説明した。

国内ではPayPay証券を通じてIPO抽選申込が3月7日まで受け付けられている。PayPayアプリから1万円単位(上限100口)で参加でき、抽選結果は3月12日10時頃に発表、当選分の保有資産への反映も同日16時以降に行われる予定だ。

出典:PayPay証券

PayPayアプリ連携・PayPay銀行口座連携・PayPayカード登録の3条件を達成した利用者には、配分上限に達するまで1万円分の購入権が優先付与される仕組みとなっている。SNS上でも参加を表明する投稿が相次ぎ、高倍率の抽選が予想される。

暗号資産分野でのプレゼンスとIPO成功が持つ意味

PayPayは7,000万超の登録ユーザーを抱える日本最大級のキャッシュレス決済プラットフォームであると同時に、2025年10月にBinance Japanの株式40%を取得するなど、暗号資産(仮想通貨)分野にも積極的に展開している。仮にNASDAQ上場が成功すれば、同社は国際的な資本市場から大規模な資金を獲得し、決済インフラと暗号資産サービスの両面で事業拡大を加速する基盤を得ることになる。

国内決済大手が暗号資産取引所持分を持ちながら米上場を果たすというケースは、日本のフィンテック企業の海外展開モデルとして市場関係者の注目を集めそうだ。地政学リスクによる市場の不安定さが残るなか、3月12日の上場が計画通りに実現するか、今後の動向が引き続き注視される。

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