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QNB、JPモルガンのKinexysを活用し国際ドル決済を迅速化

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著者:
Shigeki Mori

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編集:
Shota Oba

29日 9月 2025年 23:19 JST
Trusted-確かな情報源
  • QNBは、湾岸地域での米ドル取引を加速するために、JPMorgan Kinexysを採用した。
  • ブロックチェーンの統合は決済時間を短縮し、24時間365日の支払いを可能にし、業務効率を向上させる。
  • 地域での採用は、湾岸諸国の銀行がデジタル金融やトークン化ソリューションに対する関心を高めていることを示している。
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カタール国立銀行(QNB)は、JPモルガンのブロックチェーン決済プラットフォーム「Kinexys」を正式採用し、企業向け米ドル取引の高速化を図る。

同プラットフォームはほぼ即時の決済を可能にし、従来の銀行営業時間外でも国際送金を実行できる。

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QNB、米ドル決済を効率化

中東・アフリカ最大の銀行であるQNBは、JPモルガンのKinexysを統合し、企業向け米ドル決済を改善する。ブロックチェーンネットワークにより、取引は数分で決済され、従来方式より大幅に迅速化される。従来の仕組みが手作業のクリアリングと限定的な銀行営業時間に依存するのに対し、Kinexysは24時間連続での決済を提供する。

また、全取引を分散型台帳に記録することで透明性と監査可能性が向上する。地域の企業や多国籍クライアントにとっては、資金への迅速なアクセス、運用リスクの低減、取引コストの削減につながる。

QNBは、これらの効率化が湾岸地域における企業向け米ドルフローでの地位強化につながるとみる。同行は、より広範なデジタル戦略の一環としてブロックチェーン活用を進め、顧客サービスの高度化と地域での競争優位の確立を目指す。

この戦略的な採用は、地域の金融インフラ近代化に対するコミットメントを示すもので、湾岸地域全体で進むデジタル金融の潮流とも整合する。

JPモルガンのKinexys: ブロックチェーンの効率性と普及

Kinexysは、かつて「JPモルガン・オニキス」として知られ、2024年後半にグローバルなブロックチェーン展開の一環としてリブランディングされた。プラットフォームは従来のクリアリングハウスを迂回し、銀行間の直接決済を支援して調整遅延を縮減する。QNBは2025年初頭にテストを開始し、米ドルの企業決済で採用した中東の先行行となった。

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同プラットフォームはスマートコントラクトで取引を自動検証・記録し、エラーを最小化するとともに手作業の介入を減らす。さらに、JPモルガンのネットワーク経由でQNBの顧客を複数の国際的な取引相手と接続し、効率的な国際送金を可能にする。

アナリストは、早期採用がQNBをブロックチェーン決済の地域リーダーとして位置づけ、湾岸の銀行全体における将来の導入基準に影響し得ると指摘する。同行は、プラットフォームが速度と透明性を高めつつ、規制遵守を維持する点を強調している。

デジタル金融における地域の勢い

QNBのKinexys採用は、ブロックチェーン技術を模索する湾岸の銀行に広がる潮流を反映する。地域機関は、より迅速な決済、コスト削減、流動性管理の高度化を一段と求めている。2025年、JPモルガンは中東・北アフリカ(MENA)の主要8行がKinexysに参加したと報告し、ブロックチェーン対応決済への信頼拡大を示した。

この動きは、トークン化商品やデジタル資産サービスの拡大を含むQNBの広範なデジタル戦略とも一致する。観測筋は、QNBの統合が他の地域銀行のモデルとなり、企業決済におけるブロックチェーンの実務上の利点を示す可能性があるとみる。

総じて、今回の採用は、湾岸地域が金融インフラを近代化し国際基準に整合させるという野心を浮き彫りにする。地域の銀行が分散型台帳技術の活用を進めるなか、QNBの取り組みは、ブロックチェーンが国際企業金融の標準的要素となる可能性を示唆している。

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