「サムスンウォレット」は米国のGalaxy端末8200万台で、追加の暗号資産アプリなしにUSDCを海外送金できるようになる。提供開始は10月最終週を予定。ただし、利用には本人確認が必要。
コインベースは、USDCが「サムスンウォレット」が対応する初のステーブルコインと説明。ただし、8200万という数字は対応端末数であり、実際にサービスを利用する人数ではない。
サムスンウォレットのUSDCサービスは誰が運営しているのか
コインベースは「Coinbaseによる機能提供」と説明しており、ブライアン・アームストロングCEOも同様の見解を繰り返した。一方、サムスン自身の発表は、より複雑な体制を明かしている。
サムスンによれば、Bastionが口座運用を担う。Bastionは顧客資金のステーブルコインを保護し、決済インフラを提供するライセンス取得済みカストディ企業。ニューヨーク州信託会社の認可を持ち、出資者にはアンドリーセン・ホロウィッツやCoinbase Venturesがある。
コインベースはサブカストディアンとして機能する。BastionがUSDC現物の管理をコインベースに委託し、同社のPrime Vaultで保管する仕組み。
一方で、ソラナは当該送金が自社ネットワーク上で稼働する旨を主張。ただし、サムスンはソラナとSui、その他のインフラパートナーも名指ししている。
利用者はサムスンウォレットから海外の暗号資産ウォレットへUSDCを送金できる。サムスンの手数料は無料。さらに、60か国超の銀行口座への入金も可能で、受取人は現地通貨を受け取れる。
「サムスンウォレットにUSDC送金機能を導入することで、対象のGalaxyユーザーが追加アプリのインストール不要で利用可能になる」
チェ・ウォンチョルSamsungデジタルウォレットチーム責任者(サムスン発表より)
ステーブルコインは銀行の送金コストを上回れるか
サムスンは、銀行送金手数料は送金先や金額によって異なると説明。したがって、サムスンウォレットを通じたコスト削減効果は依然不透明。
イタリア銀行の調査によれば、ステーブルコイン送金の手数料は最大9%に達することもあり、銀行と比べて顕著な優位性は確認できない。
サムスンのステーブルコイン構想にはかねて指摘もある。7月には、同社が「Open USD」提携報道を否定した経緯もある。
現段階では、サービスは送金機能に限定。店舗でのタッチ決済対応は将来的な検討とする。なお、AppleはApple Payでステーブルコイン対応を発表していない。
ただし、決算上は引き続き生成AI向けメモリ半導体がサムスンの第3四半期業績を牽引している。
一方、サムスンウォレットはステーブルコインの利用環境を取引所アプリから端末標準アプリへと広げた。米国ユーザーに広がれば、他のウォレットにも追随圧力となる可能性。









