サム・バンクマン=フリード（SBF）は、今日から開始される控訴手続で自身の詐欺による有罪判決と25年の服役を覆そうとしている。
FTX創設者の弁護団は、彼が起訴される前に有罪と見做されていたと主張する予定。
SBFが法廷で争いを開始
サム・バンクマン=フリードの控訴に関する口頭弁論が今週マンハッタンで始まる中、33歳のFTX創設者は、「詐欺」や「裏切り」といった言葉から自身の名を遠ざける機会を狙っている。
Sponsored2年前にSBFが詐欺と共謀の7つの罪で有罪判決を受けて以来、彼とその弁護団は25年の服役を覆すための控訴の成功に向けて準備を進めてきた。
口頭弁論では、SBFの弁護士アレクサンドラ・シャピロが、彼の依頼人が最初から有罪とされ、不公平な裁判に導かれた結果、最終的に有罪判決を受けたと主張する。
「アメリカでは、犯罪で告発された人々は合理的な疑いを越えて有罪が証明されるまでは無罪と推定される」と、シャピロ氏は2024年9月に第2巡回控訴裁判所に提出したブリーフで述べた。同氏は続けて、「それが本来の仕組みだ。しかしここでは何も起こらなかった。FTXの崩壊後に、まず判決が出てからその後に評決が出る、急いだ判断で公正な裁判の原則が覆された」と記載した。
彼女は偏見、手続上の誤り、そして防御側が重要な証拠を提示することを裁判所が拒否したことが裁判を汚染したと主張した。
Sponsored Sponsored政府がSBFを訴追する背景
SBFの有罪判決は、2022年の暗号資産市場の崩壊に伴うFTXとその姉妹会社であるアラメダ・リサーチの崩壊から生じた。
検察官は、彼が顧客を誤導し、秘密裏に顧客資金を使ってアラメダを支援し、他の事業に資金を投じたと主張した。裁判はニューヨーク南部地区でルイス・A・カプラン裁判官の下で行われた。
2023年11月、陪審員団はSBFに有罪を言い渡した。この容疑は、ビットコインが価値の半分以上を失い、ルナやスリーアローズキャピタルのような主要な暗号資産プレイヤーが崩壊し、倒産が業界全体に広がった市場の混乱の数カ月後に続いた。
アラメダの暗号資産と密接に関連する保有が価値を下げ、緊急返済を強いられ、最終的にFTXの崩壊を引き起こした深刻な流動性問題を露呈した。
政府はFTXが最初から詐欺であったと主張し、SBFがそれを構築して顧客の資金をアラメダに送ったと述べた。検察官は彼が投資家をFTXの安定性について誤導してハイリスクな賭け、不動産投資、政治献金にその資金を使ったと述べた。
Sponsored元幹部たちは、彼が欺瞞的なバランスシートを許可し、アラメダの巨額の負債を隠していたと証言した。
しかし、SBFの弁護側によれば、FTXの崩壊には別の見方があったとされる。
SBFの弁護士、証拠が黙殺されたと主張
シャピロ氏のブリーフでは、陪審員がFTXの崩壊の全体像を目にすることはなかったと主張された。
彼女はSBFが善意で行動し、FTXとアラメダが市場パニックが発生した際に債務超過ではなく健全であると信じていたと述べた。弁護側は、FTXの崩壊がインソルベンシーではなく顧客の増大する引き出しによる流動性危機から生じたと示す準備ができていた。
Sponsored Sponsored「顧客が全員預金を引き揚げ続ける場合、すべての預金をカバーするために顧客を満足させるための十分な資産は常に存在していた。ただ、それらを売却するのには数日から数週間かかったであろう」とシャピロ氏は主張した。
彼女は、裁判所が会社の健全性を証明する重要な証拠を却下し、検察の主張を無挑戦で許可したと主張した。また、大部分の専門家証人を除外し、出廷を許可された1名の証言を制限した。その結果、SBFは主に自身の証言に頼る以外なかった。
「裁判所は ‘証人の返答方法を面白いと呼ぶことに限定する’ といったコメントを行い、バンクマン=フリードの態度を嘲笑した」とブリーフに記載されていた。
第2巡回控訴裁判所は、今週の口頭弁論後、決定を下すまでに数か月を要する見込み。
裁判所がSBFの側に立つ場合、彼のケースは新しい裁判のために差し戻される可能性がある。そうなれば、暗号資産の歴史で最も注目される詐欺事件の1つが再び開かれることになる。
