ソラナが進める暗号資産とハードウェアを融合させた戦略が、市場の注目を集めている。新型スマートフォン「Seeker」と連動する独自トークン「SKR」が取引所上場後、数日で価格を2倍超に押し上げた。暗号資産データサイトCoinGeckoによると、上昇率は200%を超えた。
背景には、トークン生成イベント(TGE)とエアドロップの実施がある。対象となったのは、ソラナ・モバイルが展開する第2世代端末で、オンチェーン利用を前提とした価格500ドルのAndroidスマートフォンだ。上場初期の価格変動は想定されていたものの、上昇の規模とスピードは市場予想を上回り、暗号資産市場全体で関心が高まっている。
暗号資産ユーザー向けスマートフォン登場か
Solana Seekerは、従来のフラッグシップ端末ではなく、Web3ネイティブのスマートフォンとして位置付けられている。OSにウォレットのセキュリティ、ID管理、ステーキング機能を直接統合する設計が特徴。
本端末にはシード保管用の「Seed Vault」や、生体認証によるトランザクション署名、ソラナのdAppストアへのアクセス機能が標準搭載されている。
これにより、利用者はサードパーティー製ウォレットなしでdApps利用、トークンのステーキング、報酬管理が可能となる。
ソラナ・モバイルによれば、初期販売では15万台超が予約注文された。現在は追加端末も出荷されており、エコシステムは第2報酬シーズンに突入している。
SKRトークンのローンチ
Seekerエコシステムは、発行上限100億枚のソラナ基盤トークン「SKR」で構築されている。約30%は、端末保有者およびオンチェーンアクティビティを対象とするエアドロップを通じて、ユーザーや開発者に割り当てられた。
引き換えは直接Seekerウォレットで行い、そのまま即時ステーキングも可能だった。開発者には大型の配布枠があり、頻繁な利用者には6桁相当のトークンが割り当てられた例もある。
近年の新規トークン上場とは異なり、SKRは希薄化後の時価総額が比較的低く設定され、初期売り圧力が抑制された。
SKRが急騰した理由
SKRが初日から2日間で急伸した理由として、複数の要因がある。上場時のステーキングで大量のトークンが流通から隔離された。ソラナ・モバイルのステーキング設計は、保有者に対し即時ロックを促し、発行初期の供給量を絞る仕組みとなっている。
さらに、初期ステーキング年利は約24%と高水準で、積極的な参加が促された。この報酬は収益ではなくトークンインフレから発生し、先行者が有利となる反面、短期売却への抑止力にもなった。
また、取引所上場の迅速化と高い出来高が価格形成を加速させた。ピーク時の1日出来高は1億4000万ドルを上回り、流通時価総額比でも高水準となった。
コインベースやクラーケンといった大手取引所も、時価総額が2億ドル弱と小規模な段階でSKRの上場に踏み切った。
こうした動きが、ローンチ直後の短期的な供給逼迫を演出した。
ただし、初期需要の多くは、エアドロップやステーキング報酬、流動性の低さといった構造的要因に支えられており、継続的な収益や利用指標によるものではない。
未請求トークンが市場流通に乗り、インフレ率も低下するなかで、価格には再び下押し圧力が強まる可能性がある。
Seekerのローンチは、ソラナが物理的ハードウェアとトークンインセンティブを直結させる最も大胆な試みとなった。
こうしたモデルが先駆者を超えて普及するか否かは、現時点では未知数。