スペースXは本日、全米規模のローバンド周波数帯域(スペクトラム)ポートフォリオの購入に合意し、米国のモバイル通信キャリアに挑戦した。木曜日の時間外取引で、ベライゾン、AT&T、Tモバイルの株価はいずれも約6%下落した。
売却元は、プライベートエクイティ企業グレイン・マネジメント。グレイン・マネジメントは8月にこれらの周波数帯域をTモバイルから取得していた。スペースX(SPCX)は非公開の価格で買収する予定とロイターが報じた。
スペースXが米通信キャリアにローバンド帯域で挑む理由
スペクトラムとは、モバイル信号を伝送するための電波であり、さまざまな特性を持つ帯域に分かれる。スペースXの衛星-携帯電話サービス「Starlink Mobile」は、これまで2ギガヘルツ(GHz)のミッドバンド周波数帯域を主に利用してきた。この帯域はデータ容量に向いている。
一方で、ローバンド周波数は到達距離が長く、屋内の奥まで信号が届きやすい。この特性により、建物や樹木を通過する通信が可能となる。
このポートフォリオには、800メガヘルツ(MHz)帯で最大14MHzのペア型スペクトラムが含まれるとスペースXは発表した。
また、米連邦通信委員会(FCC)は、スペースXによる1万5000基のStarlink Mobile Gen2衛星コンステレーション申請を承認したとロイターは報じた。
AT&Tの株価は時間外取引で最大の下げとなり、ほぼ7%下落。ベライゾンは6%超、Tモバイルは6%下落したとCNBCが伝えた。
一方、スペースX株は同じ取引時間帯でほぼ3%上昇した。
スペースXが周波数帯の取得を目指しているとSemaforが報じた7月にも、大手キャリアの株価は4%下落した。同月にはAT&Tのジョン・スタンキーCEOがStarlinkの野心を過小評価する発言もあったという。
「実際には、この業界が確立された後、かなり遅れて参入してきたのが現状だ」
スペースX参入前の保有者は誰か
Tモバイルは8月11日、800MHz帯ポートフォリオのグレインへの売却を完了した。現金29億ドルとグレイン保有の600MHzライセンスを受領した。
FCCは7月1日に今回の取引を承認していた。
売却が成立してから2か月も経たないうちに、スペースXはグレインの全国800MHz保有分の買収に合意した。
一方、Tモバイルも現在、「T-Satellite」の名称でStarlink連携の衛星-携帯電話サービスを展開している。
同報道はまた、過去10年間で大手3社が米国のローバンド周波数帯取得に約1100億ドルを費やしてきたことにも言及している。スペースXはこれを、1件の取引で全米ポートフォリオとして取得する形となった。









