イーサリアムおよびトロンのブロックチェーン上における取引所のステーブルコイン保有額が、直近で700億ドルを突破した。
2021年のブルマーケット時に記録された過去最高は約600億ドルだった。その後長らく横ばいで推移していたが、8月以降、取引所のステーブルコイン保有額は急増している。
取引所のステーブルコイン:買い圧力の源泉
CryptoQuantアナリスト「CryptoOnchain」によれば、この指標は大規模な買い余力のプールを示している。9月2日に一時700億ドルを突破し、木曜日時点では683億ドル前後で推移していた。
Sponsoredアナリストは、この動きが暗号資産価格と強い相関を持つと指摘。実際、取引所のステーブルコイン保有額は2023年10月末に320億ドルまで落ち込んだ後、そこから2倍以上に拡大した。
この間、ビットコインは約3.3倍に上昇(約3万5000ドル→11万ドル超)、イーサリアムは1890ドルから2.5倍に跳ね上がっている。
USDCの急増が相場を牽引
詳細データでは、最大手のステーブルコインUSDTが取引所保有額の約530億ドル(77%)を占め、USDCは約140億ドル(20%)を占める。
CryptoOnchainは特にUSDCの急拡大を強調。USDTは安定成長を続けているものの、価格上昇と最も強く連動しているのはUSDCの取引所流入だと指摘した。
実際、米国の利下げ期待が高まる中で、取引所のUSDC保有額は8月1日の68億ドルから1か月で倍増し、140億ドルに到達。一方USDTは同期間に526億ドルから531億ドルへ微増にとどまった。
アナリストは現在のステーブルコイン蓄積を「非常に強い強気シグナル」と位置づける。蓄積された資本がビットコインやアルトコインへ流入すれば、新たなラリーが近いと見られている。