ステラ(XLM)の価格は今月初旬に一時回復の兆候を見せたものの、直近24時間で4%以上下落した。7月には53%という大幅な上昇を記録したが、ここにきて価格変動が激しくなっている。現在、さらなる下落を示唆する重要なテクニカルシグナルが確認されている。今後、下落基調がさらに継続するかどうかを見極めるため、短期チャートや投資家のポジション動向、主要価格水準を検証する必要がある。
2時間足チャートに弱気シグナル、取引所フローも売りを示唆
今回の下落が一時的な調整か、それとも本格的な下落トレンドの始まりかを判断するには、短期チャートを見る必要がある。2時間足チャートでは、20期間の指数移動平均線(EMA、赤色の線)が50期間のEMA(オレンジ色の線)を下回る、いわゆる「デスクロス」が発生している。これは通常、売り圧力が強まっていることを示唆する。
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EMAのクロスオーバーは、チャート上で短期のEMA(20期間)が長期のEMA(50期間)を交差することで生じる。短期EMAが長期EMAを下回った場合、短期的な売り圧力が強まっている可能性を示す。
取引所のネットフローもこれを裏付ける。過去2週間はネットフローがわずかにマイナスとなり、取引所からの資金流出(引き出し)が流入を上回っていた。しかし今週に入り、この数値はプラスへ転じた。これは保有者が資産を取引所へ戻し、売却の準備をしていることを示唆する。

弱気の勢いが強まり、市場の心理も売り優勢
チャートのテクニカルシグナルに加え、市場の心理的側面も再び弱気へと傾きつつある。ブル・ベア・パワー(BBP)指数を見ると、直近2回のセッションで指数が急激にベア(売り)方向へ反転したことが分かる。これは買い手が売り手の勢いに追いつけず、ステラ価格が押し下げられている状況を反映している。

BBPは最近の価格推移から買い手(ブル)と売り手(ベア)の力関係を測定するもので、マイナスの場合は売り手が市場を支配していることを示す。
さらに、ロング/ショート比率にも売り優勢が鮮明に表れている。Coinglassのデータによれば、現在XLMのポジションを保有するトレーダーのうち60.67%がショート(売り)に傾いており、市場の過半数がXLM価格のさらなる下落を見込んでいることが示されている。ショートポジションが多い場合、一時的な価格上昇によるショートスクイーズが起きる可能性もあるが、今回の場合、トレンドの弱気シグナルと整合している。

ロング/ショート比率は価格が上がる(ロング)と予想するトレーダーの割合に対し、下がる(ショート)と予想するトレーダーの割合を示す。この数値がショート側に大きく傾いているということは、トレーダーが今後の価格下落を想定していることを意味する。
ステラ(XLM)価格が崩壊寸前の注目サポートレベル
XLMは現在0.38ドル付近で推移しており、直近の重要なサポート水準である0.37ドルを僅かに上回っている。もし0.37ドルを割り込み、その後0.33ドルも下回れば、下落圧力がさらに強まる可能性が高い。0.33ドルのサポートを維持できなければ、0.28ドル付近までのさらなる下落が現実味を帯びる。それ以下になれば、短期的な反発の見込みはなくなり、市場センチメントは一段と悪化する。
一方で、買い手側が0.37ドルのラインを守り抜き、XLM価格を再び0.40ドル、さらに0.45ドル以上へと押し戻すことができれば、市場の回復可能性も残されている。短期的に0.40ドルを超えれば、今回の弱気シナリオは一旦無効となる。

ただし、真の試金石は0.52ドルのレジスタンス(抵抗線)である。この抵抗線を明確に突破しない限り、新たな上昇トレンドの確認には至らない。これを突破するまでは、ステラ(XLM)の価格構造は依然として不安定な状況が続くとみられる。
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