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2028年、ナスダック100維持も戦略の岐路

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執筆&編集:
Oihyun Kim

15日 12月 2025年 11:16 JST
Trusted-確かな情報源
  • ストラテジーは直近3カ月で47%下落したが、ナスダック100の構成銘柄の地位は維持した。ただ、事業モデルへの懸念から1月のMSCI指数除外の可能性がある。
  • タイガー・リサーチは、2028年を戦略の正念場と位置付け、64億ドル相当の転換社債コールオプションが前例のないリファイナンス圧力を生むと指摘した。
  • 同社の破産水準は2万3,000ドル相当のビットコインまで上昇し、現在価格から73%下落した水準となった。これは積極的なレバレッジ運用がビットコインの蓄積ペースを上回ったためだ。
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ビットコイン財務企業ストラテジー(MSTR)はナスダック100指数でその地位を維持した。しかし同社のビジネスモデルの持続可能性をめぐる懸念が高まっており、新たな分析では2028年が企業存続を左右する重要な年になると指摘している。

同社は現在、広範な市場に影響を与えるほどのビットコインを保有している。その規模は典型的なクジラをはるかに上回る。

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タイガーリサーチ「2028年が本当の試練」

ブロックチェーン調査企業タイガー・リサーチは、ストラテジーの財務構造について独自分析を行い、2028年を主要なリスクの年と指摘した。

同レポートは、ストラテジーの資金調達手法の大きな転換を強調している。2023年まではキャッシュリザーブと小規模の転換社債に依存しており、保有量は10万BTC台前半にとどまっていた。2024年以降は優先株、ATMプログラム、大型転換社債の組み合わせでレバレッジを急激に拡大。この仕組みは、ビットコイン価格上昇によってさらに大量購入できるフィードバックループとなった。

問題は、これらの転換社債のコールオプションが2028年に集中し、約64億ドルの償還圧力を生む点である。投資家は早期償還を要求でき、同社はこれを拒否できない。

キャッシュフローも安全網もなし

タイガー・リサーチは根本的な脆弱性として、ストラテジーが調達資金のほぼ全てをビットコインの購入に費やし、キャッシュフローを生む生産的資産には投資していない点を指摘している。

「調達資金を生産的資産に投じていれば、同社には返済源が自然に生まれていただろう」とレポートは述べている。「しかしビットコインの積み上げに注力したことで、償還用のキャッシュがほとんど確保できていない。」

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もし2028年にリファイナンスができなければ、同社は約7万1000BTCを9万ドルで売却する必要がある。これは1日の取引量の20~30%相当にあたり、市場全体に下落圧力が波及する可能性がある。

破産申立基準が引き上げ

ストラテジーの静的な破綻ラインは2025年時点で2万3000ドルに設定されており、73%の価格下落が必要となる。ただし債務拡大がビットコイン蓄積ペースを上回っているため、この水準は2023年の1万2000ドル、2024年の1万8000ドルから徐々に上昇してきた。

「ストラテジー構造のリスクは通常時は低く見えるが、2028年に極端に集中する」とタイガー・リサーチは警告している。「リファイナンスに失敗すれば、ビットコイン市場全体に影響を及ぼすほどの売り圧力が発生し得る。」

このレポートでは、新しいデジタル資産財務企業は2022年の下落局面を乗り切る中でストラテジーが築いた多重の安全弁を持たず、さらに大きなリスクを抱えているとも指摘した。

懐疑的な中でナスダック100が堅調維持

一方ストラテジーは、先週末に発表されたナスダック100の定例見直しで除外を免れた。ただしグローバル指数プロバイダーのMSCIは1月にストラテジーの構成銘柄としての適格性を再審査する予定であり、同社の「ビットコインの買い持ち」モデルはテクノロジー企業というより投資ファンドに近い、との指摘も一部市場関係者から上がっている。

ストラテジーは2020年に企業のビットコイン財務モデルを先駆的に採用し、世界で類似事例が多数登場した。しかしビットコイン価格の変動が株価を直撃(同社株は3か月で47%下落)する中、このレバレッジ型の戦略が今後の債務返済に耐えられるのか、疑問がますます強まっている。

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