SuccinctのPROVEトークンが数時間前に上場され、激しい値動きによって市場の注目を集めている。初値はおよそ0.65ドルでスタートした後、一時1.5ドル超えまで急騰したものの、その後は約1.2ドル付近に戻っている。新規上場銘柄にしては変動が大きく、一部のテクニカル指標は、特定の価格水準が崩れればさらなる急変動を示唆している。
クリフ解除が遅延、主要保有者が早期参入
新規トークンの上場直後に懸念されるのは、初期投資家などへのトークン解除(クリフ解除)による価格下落であるが、Succinctの場合、状況は異なっている。
公式トークン配分情報によると、コア貢献者や投資家向けに割り当てられたトークン(総供給量の65%以上)は、TGE(トークン生成イベント)時には全く解除されておらず、12カ月のクリフ期間後、36~48カ月かけて徐々に市場に放出される仕組みとなっている。財団向けの割り当ても同様で、1年間は解除されない。
つまり、2026年中旬まで市場への大規模な供給圧力は存在しないことになる。これは、短期的に市場が需給バランスを形成するための時間的余裕があることを意味している。
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興味深いのは、上場直後の価格変動にもかかわらず、上位100の大口ウォレットが合計で7.71%分のトークンを新たに購入しており、これらが総供給量の96%を占めるまでに至っていることだ。この集中度の高まりは、長期的な視点でトークンを蓄積している投資家やクジラの存在を示している。
トークン供給の大部分がロックされ、大口保有者が買い増しているため、短期的な供給ショックの可能性は低い。現在の相場は流動性が低く、価格変動はセンチメントや短期的な需給バランスに大きく左右される状況にある。
フィボナッチとVWAPは維持、しかし1.18ドルがサキンクト(PROVE)価格の分岐点
1時間足チャートを見ると、PROVEは約1.55ドルまで急騰後、1.14ドル付近まで調整し、現在は1.23ドル前後で推移している。この価格帯には1.21ドル付近にアンカードVWAP(出来高加重平均価格)が位置し、これまで何度もサポートラインとして機能している。

VWAPライン(青線)が崩れた場合、次のサポートは1.14ドル、続いて0.92ドルに位置する。0.92ドルを割り込むと、0.64ドル以下の新安値をつけるリスクがあり、短期的な強気のシナリオが崩壊することになる。
(注)最初のローソク足は上場時の異常な変動により、フィボナッチ拡張の基準として除外されている。
VWAPは、トークンがその日の平均価格と比べ割高または割安で取引されているかを判断するための日中取引指標としてよく使われる。現在のところ、価格がVWAPを上回って推移しているため、短期的には買い手が優勢だと見られる。これが崩れれば、売り圧力が一気に高まる可能性もある。
一方で、PROVEが1.36ドルを突破し、さらに1.49ドルを超えれば、0.618フィボナッチの位置する1.70ドル付近が次のターゲットとなる。このトレンドベースのフィボナッチ拡張パターンは、上場直後の価格変動に伴い、今後も調整される可能性がある。
15分足チャートで強気ペナント形成、9/15EMAクロスは未確認
15分足チャートでは、典型的な「強気ペナント」(価格の高値が切り下がり、安値が切り上がる対称三角形)が形成されている。このパターンは通常、形成前のトレンド方向(今回の場合は上昇方向)にブレイクアウトしやすい。ペナントの起点は1.58ドル付近にある。
価格が1.49ドルを超えれば、このペナントからの上方ブレイクアウトが確定するが、本格的なトレンド継続のための明確な突破レベルは1.61ドル以上であり、これは1時間足のフィボナッチチャートの分析とも一致している。

ただし、現状では短期的なトレンドの勢いを示す9EMAが15EMAをまだクロスしておらず、超短期的なモメンタムは中立のままとなっている。
EMAクロスが発生し、価格がペナントの上限(1.49ドル)を突破すれば、短期的なさらなる上昇が期待できる。その場合、1.61ドル以上の水準を目指す展開が想定される。しかし、このパターンが下方に崩れ、1.18ドルを割り込むと、再び1ドル未満を目指す展開となるリスクもある。
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