テザーとジョージア政府は、同国通貨ラリに連動するステーブルコイン「GEL₮」を発行する。国家通貨をブロックチェーン上で運用する先行事例の1つとなる見通し。新制度の下で導入され、米国のGENIUS法との整合性も視野に入れる。ジョージアはデジタル資産規制の相互運用を目指す先進的な法域として存在感を強めている。
なぜ今、国家ステーブルコインなのか
ステーブルコインは暗号資産の枠を超え、主流の決済インフラへと進化している。調整後オンチェーン取引高は2026年4月に7兆6000億ドルに到達。Tetherも、支払い、決済、送金、国際送金分野でステーブルコインの普及が進んでいると指摘する。
将来予測も上方修正が続く。リップル社は2026年のオンチェーン・ステーブルコイン取引高が33兆ドルに達すると予測。チェイナリシスは、オーガニック成長のみで2035年には調整後取引高が719兆ドルに拡大すると見積もる。
同社はさらに、世代間の資産移転やPOS端末の普及といったマクロ経済的要素が採用を加速すれば、1京5000兆ドル規模まで拡大する可能性があると付け加えた。
ジョージアはこの流れに備えている。同国ではすでに暗号資産を即時換算して税金を納付できる仕組みが導入されている。法定通貨連動トークンは、このアプローチを主権的な金融インフラへ拡張するものとなる。
「GEL₮」はジョージア・ラリのデジタル版として、低手数料、即時決済、プログラマブルな支払い、デジタル金融ネットワーク間での円滑な価値移転といった利点を提供する。
この取り組みは、国境を越えた商取引の強化、フィンテック分野の革新促進、デジタル決済システムの高度化、ジョージアおよび周辺地域におけるプログラマブル金融インフラの普及拡大を目的としている。
「Tetherと提携することで、デジタル資産とステーブルコイン分野のグローバルリーダーである同社の力を得て、ジョージアは伝統的金融とデジタル経済の橋渡し役となる戦略的な機会を手にすることができる」ジョージア議会議員のヴァフタン・トゥルナヴァ氏は述べた。
発表では「GEL₮」の構造、導入時期、規制枠組みの詳細については今後追って公表するとされた。
他国の政府がジョージアのように国家ステーブルコインと米国基準の規則を組み合わせる方針を取るかどうかが、法定通貨のオンチェーン流通のあり方を左右することになる。









