タイ第4位の大手銀行カシコン銀行(KBank)はこのほど、同国の暗号資産(仮想通貨)取引所サタン(Satang)を買収した。公式資料によると同行は27日、サタン社株式の97%を取得。買収は、カシコン銀行子会社ユニタ・キャピタルを通じて行われた。今回の買収に伴い、サタン社は今後、オービックス・トレード・カンパニー・リミテッドへと名称を変更する。
カシコン銀行法人部門は多くの日本の銀行とパートナーシップを結んでおり、日本国内にも支店を構える。また、タイ・バンコクの本店は日本人窓口を設置しており、タイ国内の在留邦人にとっても馴染みが深い。
カシコン銀行、暗号資産交換業およびWeb3事業に進出
ユニタ・キャピタル社は今回の買収に伴い、暗号資産カストディアン会社オービックス・カストディアン、暗号資産ファンド管理会社オービックス・インベスト、ブロックチェーンインフラ開発会社オービックス・テクノロジーという3つの子会社も設立した。ユニタ・キャピタル社は2022年3月に登記を完了し、資本金は約164億円(37億500万バーツ)。今回買収されたサタン(旧サタン・プロ)は17年創業の大手暗号資産取引所。同社のポラミン・インソム創業者は、プライバシーコインFIRO(旧Zcoin)を手がけたことで知られている。
カシコン銀行は9月、1億ドル(約147億円)規模のWeb3ベンチャーキャピタル「KXVC」を設立。アジア太平洋地域などを中心とし、AI(人工知能)、Web3、ディープテック分野の新興企業をターゲットに投資を進めている。
同国では大手のサイアム商業銀行(SCB)が21年、タイ最大の暗号資産取引所ビットカブ(Bitkub)の株式51%を買収する契約に署名。しかしその後、暗号資産市場が下落したことなどを受け、翌22年に買収取引を中止した。
タイ新首相セター氏、暗号資産に肯定的な姿勢
タイでは8月、同国不動産デベロッパー大手サンシリのセター・タウィーシン元社長兼CEOを次期首相に選出。セター氏はかねてより暗号資産業界に進出しており、タイ現地の暗号資産およびブロックチェーン、Web3産業への影響を持つ可能性が指摘されている。
セター氏率いる与党のタイ貢献党は9月、タイ国民に約4万円(1万バーツ)を配布する景気政策を発表。居住地から半径4km以内に位置する店舗で商品やサービスを購入できるユーティリティ・トークンを、デジタルウォレットを使って配布する計画だ。
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