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主要3資産価格予測:ビットコイン・金・銀が重大局面示唆

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Shigeki Mori

16日 12月 2025年 08:09 JST
Trusted-確かな情報源
  • ビットコインは回復を試みているが、依然としてマクロ要因による抵抗が優勢だ。
  • 金価格は構造的に上昇傾向が続くが、モメンタムの乖離から一時的な調整も示唆される。
  • 銀価格が高値圏に突入する一方、モメンタム指標は警戒を示している。
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今週は、18日の米CPI発表と日本銀行(BOJ)の利上げ観測を前に、ビットコイン、金、銀が引き続き注目を集めている。

マクロ経済イベントが控えるなか、アナリストはBTC・XAU・XAG相場の急変を予想する。

主要経済指標前のビットコイン・金・銀の価格予測

18日の米CPIと、19日のほぼ確実視される日銀の利上げが、ビットコイン価格と金や銀などコモディティの安全資産を変動しやすい状況に置いている。この情勢を踏まえ、今週のBTC・XAU・XAGの見通しは次の通り。

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ビットコインの下落基調で反発力弱まる

ビットコインの日足チャートは、上昇トレンドへの明確な転換ではなく、トレンドに逆らう回復局面を示す。価格は上昇チャネルを下抜けしており、12万6000ドルからの急落後に反発の勢いが弱まりつつある。

短期構造は改善しているが、ビットコインは依然として主要な移動平均線を下回る。50日EMAが9万5601ドル、100日EMAが10万1022ドルで、いずれもチャート上部からBTC相場を抑える動的なレジスタンスとなっている。

Bitcoin (BTC) Price Performance. Source: TradingView
ビットコイン(BTC)価格チャート 出典:TradingView

RSIは売られすぎ領域から回復し、現在は40台半ばで安定。買いシグナル発生直前であり、短期モメンタムの改善が期待される。このシグナルはRSI(紫色)がシグナルライン(黄色)を上抜けたタイミングで点灯する。

一方、MACDラインはシグナルラインを上回り、テクニカル的には強気な勢いが維持されている。ただし、MACDが負の領域であるため、売り手の強さも依然として示唆される。

ヒストグラム(棒グラフ)は縮小し、緑色が薄まりつつある。これは買い圧力の弱まりを示すのみで、強気派が投げ売ったことは意味しない。なお、ヒストグラムは正の領域を保っている。

強気な出来高プロファイル(緑の横棒)からは、9万ドル台の心理的節目上で押し目買い参加者が控える、上値の買い需要の強さが窺える。

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ビットコインが再び強気継続となるには、上昇チャネルの下限および10万ドルを回復する必要がある。上昇を狙うトレーダーは、9万8018ドルの61.8%フィボナッチ・リトレースメント上抜けのローソク足終値を待ちたい。

それまでは、レンジ相場での回復トレードが優勢となり、レジスタンスで跳ね返されるリスクが高い。全体的なトレンドは慎重姿勢だが、安定化の兆しも表れ始めている。

金価格が上昇チャネル上限に接近、売りサインも出現

ビットコイン同様、金の4時間足チャートも明確な上昇チャネルを維持しつつ、4,381ドルのXAU過去最高値を目指す展開となっている。

構造的に見ても強気トレンドを維持。金は、11月と12月を通じて上昇トレンドを保ち、安値・高値とも切り上げながらチャネルサポートを尊重してきた。

Gold (XAU) Price Performance
金(XAU)価格チャート 出典:TradingView

ただし、モメンタムは分岐傾向にある。RSIは高水準から下がり、現在は60台後半で推移。売りシグナル発生直前であり、上昇勢いの減速を示す。RSIがシグナルラインを下回ると売りシグナル点灯となる。

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これはトレンド転換を意味しないが、むしろチャネルサポート付近への押し目(下落)の可能性が高まったという解釈である。こうした下落局面は、出遅れたXAU強気派にとって割安な買い場となる。

主要なフィボナッチ・リトレースメントがこの見方を補強する。4,265ドル(23.6%リトレースメント)や4,193ドル(38.2%リトレースメント)までの調整は、トレンド継続の範囲内といえる。

より深い下落として4,134ドル付近まで調整した場合でも、チャネルを明確に下抜けない限り問題はない。61.8%リトレースメント(終値ベース)を下回れば強気シナリオは無効となる。

4時間足で4,076ドルを明確かつ終値で割り込まない限り、当面は短期的な持ち合いまたは調整下落のシナリオが優勢となる。

中期的なバイアスは依然として建設的だが、絶好の高値圏を追いかけるモメンタムトレーダーは慎重を要する。

銀価格の急騰、過熱感による調整リスク

銀の日足チャートは、XAG価格が64~65ドルのレジスタンス帯に向けて急騰し、強い強気ブレイクアウトを示す。広範なトレンド構造もなお明確に強気。ボリンジャーバンドのミッドラインが上昇し、主要な移動平均線を終値で上回る状況が続いている。

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銀価格は年央以降、高値・安値とも切り上げを維持し、強いトレンド継続を示してきた。

ただし、モメンタム指標によれば短期的な過熱感も見られる。RSIは74付近と過熱ゾーンにあり、これは伝統的に短期の押し目や持ち合いを示唆するが、トレンド反転を意味するわけではない。

同時に、オーサム・オシレーター(AO)はプラス域で拡大傾向を保ち、強気モメンタムが水面下で維持されていることを示唆する。

Silver (XAG) Price Performance
銀(XAG)の価格推移 出典: TradingView

注目すべき下値水準は56.90ドルで、これは23.6%フィボナッチ・リトレースメントである。この水準への浅い調整はむしろ好ましく、上昇基調を維持しつつモメンタムのリセットを促す動きとなる可能性が高い。

ただし、52.10ドル(38.2%フィボナッチ・リトレースメント)を割り込めば、上昇モメンタムにリスクが生じる。上昇シナリオが無効となるのは、価格が44.56ドル(61.8%フィボナッチ・リトレースメント)を下回った場合のみ。

上値では、65ドルを明確に終値で上抜ければ、現行予想を超える心理的目標水準への展開が視野に入る。

総じて銀は強い上昇傾向を維持しているが、次の持続的な上昇局面の前に、ボラティリティや平均回帰の可能性を念頭に置く必要がある。特に高値圏で新規参入する場合は、リスク管理が重要となる。

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