ドナルド・トランプ前大統領が4日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)と人工知能(AI)の進歩に対し重大な懸念を表明した。同氏はフォックス・ビジネスがこのほど行った「Sunday Morning Futures」インタビューで、CBDCによる政府の監視強化と個人財務への支配、AIの危険性、特にディープフェイクによる偽情報の拡散と戦争の流れを変える可能性を強調した。
トランプ氏はインタビューで、CBDCを「非常に危険」と批判。個人の自由やプライバシーを脅かすものと見なした。AIについては「おそらく最も危険なもの」と言及し、実際の解決策が存在しないと警告した。AIの進化がもたらすセキュリティリスクについても言及し、ディープフェイク技術が実際の戦争を引き起こす可能性について懸念を示した。AIのリスクをめぐっては官民ともに対策を練っているところだ。
同氏はアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に対しても批判し、続投を否定する意向を明らかにした。トランプ氏は、デジタルドルにも反対の立場を示しており、暗号資産の保有やNFTプロジェクトの運営など暗号資産へ積極参入するなか、デジタルドルが個人の銀行口座から資金が消えるシナリオを引き起こす可能性があると警告した。同氏はCBDCを「自由への危険な脅威」と呼び、連邦準備制度(FRB)のデジタル通貨導入試みを阻止すると主張した。
アメリカ大統領選をめぐっては、デジタル資産業界に寛容な規制当局者を任命することも注目されており、暗号資産市場の規制改革にも期待が高まっているところだ。ブルームバーグの報道によれば、スカイブリッジ・キャピタルの創設者であるアンソニー・スカラムーチ氏は、24年の選挙でバイデン大統領への支持を仮想通貨コミュニティに促している。FRBはデジタル通貨に関してまだ明確な立場を示しておらず、暗号資産市場の成長を受けて、連邦政府の規制範囲を超えて運用される分散型金融システムへの発展を懸念している。
イエレン米財務省長官、暗号資産のリスクを懸念し規制法を立法へ促すか
ジャネット・イエレン米財務長官は、暗号資産プラットフォームとステーブルコインのリスクに注目し、立法の必要性を強調している。イエレン財務長官率いる金融安定監視理事会(FSOC)は6日にも、金融システムの安定性を監視する連邦金融規制者の集団で、最新の年次報告について下院金融サービス委員会で議論が予定されている。同氏はFTXの破産を暗号資産業界における「リーマン・ショック」と評し、デジタル資産のリスクに焦点を当てる方針だ。
FSOCは、暗号資産プラットフォームやステーブルコインの脆弱性、ボラテリティの高さ、法規に違反するプラットフォームの増加など、デジタル資産関連のリスクに警鐘を鳴らしている。同氏は、議会による規制法立法と、既存規則の施行を促すとみられる。立法側は、ステーブルコインに焦点を当てたものや市場構造に広く関連するものを含む立法に取り組んでおり、マネーロンダリング対策の法案も導入されている。
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