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トランプ大統領の暗号資産法案、議会で停滞

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著者:
Oihyun Kim

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編集:
Shigeki Mori

22日 1月 2026年 17:46 JST
  • トランプ氏はダボスで暗号資産法案の早期署名を求めたが、議会は業界内の対立で停滞している。
  • コインベースは、ステーブルコインの利回り規制について「競合排除を狙う銀行業界のロビー活動」と批判し、支持を撤回した。
  • ホワイトハウスの暗号資産担当顧問はコインベースを批判し、業界が有利な環境下で好機を逃す恐れがあると警告した。
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トランプ米大統領は21日、ダボスで開催された世界経済フォーラムにおいて、暗号資産市場の構造に関する法案について「間もなく署名したい」と表明した。しかし、法案は依然として議会で停滞し、大統領の意欲と立法の現実との間に拡大する溝が露呈した。

コインベースと銀行ロビイストの間でのステーブルコイン利回りを巡る対立は、議員らが「一世代に一度の規制強化のチャンス」と呼ぶ機会を失うリスクとなっている。このため、暗号資産事業は2年遅れる恐れがあり、海外流出の可能性も高まる。

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トランプ氏「ビットコインも全部支持」

「今、議会は暗号資産市場の構造法案に非常に熱心に取り組んでおり、私はこの法案に間もなく署名し、金融の自由に向けた新たな道を切り開きたいと考えている」とトランプ米大統領はダボスでの演説で述べた。準備された原稿を読み上げる中で、同氏は一瞬テレプロンプターから目を離し、「ビットコイン、どれもだ」と付け加えた。

この発言は、上院銀行委員会が予定していた審議を突然中止した数日後に出たもの。トランプ氏の発言は議員への直接的な政治的圧力と受け止められている。

銀行委は延期、農業委は前進

暗号資産市場の構造法案は、2つの上院委員会で同時に審議されている。銀行委員会は証券規制を、農業委員会は商品取引規制を担当する。両方の法案が可決され統合された上で、上院本会議に送られる仕組み。

銀行委員会は先週、コインベースが支持を撤回したことを受けて法案審議を延期した。今週はトランプ氏による住宅価格是正への取り組みに議題を切り替えた。暗号資産法案の可決は2月末から3月にずれ込む見通し。

その一方、上院農業委員会のジョン・ブーズマン委員長は水曜日、デジタル・コモディティ仲介法案の全文を公開し、1月27日の審議実施を明言した。ただし、同氏はコリー・ブッカー上院議員との超党派交渉が合意に至らなかったことも認めた。

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対立の核心:ステーブルコイン利回り

コインベースが反対する理由は、ステーブルコイン利回りに関する条項に集中している。昨年、トランプ米大統領の署名で成立したGENIUS法により、ステーブルコイン保有者は実質的に利息を受け取れる形となった。この利回りが銀行の預金金利を上回る場合もあり、銀行業界のロビイストらは新法案で利回り制限を強く求めている。

コインベースのブライアン・アームストロングCEOは支持撤回の理由について「悪い法案ならないほうがいい」とコメント。同氏はダボスでのブルームバーグのインタビューでも主張を強め、「銀行のロビイストや業界団体は競合を排除しようと動いているが、私はそれを全く認めない。それはアメリカ的でない」と述べた。

米政府、コインベースに反論

ホワイトハウスはこれに厳しく反応した。トランプ米大統領のデジタル資産評議会のパトリック・ウィット事務局長は、アームストロング氏の姿勢を公然と批判した。

「『悪い法案ならないほうがいい』。こうした言葉が言えるのは、トランプ米大統領の勝利と、同氏が組織した暗号資産推進政権のおかげということを、しっかり認識すべきだ」とウィット事務局長は語った。

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同氏は、暗号資産業界関係者が今この法案の成立を妨げれば、「絶好の好機をみすみす手放すことになる」と警告した。

議員ら「後れ」への懸念

フォックス・ビジネスのインタビューで、議員側のいらだちが高まっている様子が明らかになった。暗号資産推進派の筆頭であるシンシア・ルミス上院議員(ワイオミング州)は来年引退予定で「トラックにひかれた『ぺったんこスタンリー』みたいな気分だ。残り11か月でこの法案をまとめたい」と述べた。

ブロックチェーン協会のピーター・スミスCEOは「もし今成立しなければ、すでに1年半かけて取り組んできたにもかかわらず、中間選挙後は大幅な遅れとなる。現実的にはさらに2年遅れることになる」と警告した。

ウィリアム・ティモンズ下院議員(サウスカロライナ州)は経済的影響を強調した。「議会が適切な枠組みをつくれば数十億ドルが米国へ戻る。逆に何もしなければ暗号資産に関するあらゆる活動が海外流出しかねない」と語った。

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議会での議論が停滞する一方、市場は着実に前進している。ニューヨーク証券取引所は、ブロックチェーンベースのトークン化証券取引プラットフォームを即時決済・24時間運営で提供する計画を発表した。

トム・ティリス上院議員(ノースカロライナ州)は「米国が世界の銀行業界のゴールドスタンダードであり続けたいなら、暗号資産も正しく扱う必要がある。これは将来の金融システムで不可欠な要素であることは間違いない」と述べた。

今後の展望

対立の構図は明確だ。トランプ政権は迅速な法案成立を求め、コインベースはステーブルコインの利回り制限を「譲れない一線」とし、銀行ロビイストらは制限の維持を要求している。

農業委員会の法案はデジタル商品スポット市場でのCFTCの管轄に焦点を当てており、ステーブルコイン利回り問題は直接扱っていない。そのため、1月27日の法案審議は予定通り進む見込み。ただし、包括的な市場構造制度には、銀行委員会の法案と統合が不可欠。

ステーブルコイン利回りを巡るコインベースと銀行ロビイストの対立解消が最大の課題。ホワイトハウスの圧力にもかかわらず、アームストロングCEOの姿勢は揺らいでいない。

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