暗号資産推進派の共和党上院議員トム・エマー(Tom Emmer)氏は、アメリカの中央銀行デジタル通貨(CBDC)の可能性について懸念を表明した。
2月22日、ミネソタ州選出の同議員は「CBDC反監視法」(the CBDC Anti-Surveillance Act)を提出した。エマー氏によると、この法案の目的は、「ワシントンの選挙で選ばれたわけではない官僚が、アメリカ人から金融プライバシーの権利を剥奪しようとする動きを阻止すること 」だという。
さらにエマー議員は、FRB(米連邦連邦準備制度理事会)がCBDCを発行するという考えにも反対しており、中国と同様に、政府に前例のないレベルの金融コントロールと監視能力を与えることになるとしている。
同議員は、今回の法案には主に3つの狙いがあると説明している。第一は、FRBがCBDCを誰かに直接発行することを禁止すること。
次に,FRB が「金融政策を実施し,経済をコントロールするために CBDC を利用する」のを禁止すること。最後に,FRB の CBDC プロジェクトの中心である議会と米国市民に対して、完全な透明性の確保を要求している。
米国のデジタルドルへの高まる懸念
アンクルサム(米国の擬人化表現)は、そのCBDC計画で他の国々に大きく遅れをとっている。そのなかで、エマー議員は、政府がCBDCを監視の手段として利用することを懸念する人々の1人でもある。
「ドルのデジタル化では、プライバシー、個人主権、自由市場の競争力という米国の価値観が維持されなければならない。そうでないものは、危険な監視ツール開発への扉を開くことになるのです」と語っている。
さらに、この法案には多くの支持が集まっていることも付け加えている。法案の賛同者には、下院金融サービス委員会の副委員長で、新たにデジタル資産小委員会の委員長に任命されたフレンチ・ヒル氏も含まれている。
エマー議員は1年以上前からキャンペーンを開始し、2022年1月にはFRBに対しCBDCを発行しないよう促している。当時は、「中国のデジタル権威主義を恐れて真似するのではなく、米国の特性を生かしたブロックチェーン技術を優先しなければならない 」と述べていた。
また、昨年7月、同議員は証券取引委員会(SEC)とゲーリー・ゲンスラー同委員長に対して痛烈な攻撃を開始し、SECが公共の資源と信頼を犠牲にして、司法権の拡張のために取締りを行っていると非難した。「ゲンスラー委員長の下で、SECは権力欲の塊のような規制当局になってしまった」と語っている。
グローバルに拡大するCBDC
反CBDCキャンペーンを行う人々にとって朗報なのは、米国が世界の他の国から大きく遅れをとっていることだ。
アトランティック・カウンシルのCBDCトラッカーによると、11カ国がすでに中央銀行のデジタル通貨を立ち上げている。しかも、現金に制限を設けているナイジェリアを除けば、そのすべてがカリブ海諸国とのことだ。
また17カ国が試験的に運用中であり、72カ国が研究開発段階にある。
Follow us on:
X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル
免責事項 - Disclaimers
当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。