米労働統計局(BLS)は19日(日本時間)、最重要指標である11月の消費者物価指数(CPI)データを公表する。
本インフレーションレポートには10月のCPIが含まれず、政府機関の閉鎖によるデータ収集不足のため、11月の月間CPIも公表されない。そのため、投資家は年次のCPIとコアCPIに注目し、インフレ動向が米連邦準備制度理事会(FRB)の政策見通しにどう影響するかを見極める。
次回CPI統計で注目すべき点
CPI変動率で見ると、米国のインフレ率は11月に年率3.1%上昇する見通しであり、9月の数値をわずかに上回る。また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIインフレも、この期間に3%上昇が予想されている。
SponsoredTDセキュリティーズのアナリストは、年次インフレ率が予想よりも速いペースで上昇するとみているが、コアインフレは横ばいになると予想する。
「米CPIは11月に前年比3.2%上昇すると予想している。これは2024年以来で最も速いペースとなる。エネルギー価格の上昇が主導すると見ているが、コアCPIは3.0%で横ばいになると考えている」と同社は説明する。
米消費者物価指数は米ドルにどう影響するか
木曜日の米国インフレ発表を前に、投資家は1月のFRBによる25ベーシスポイントの利下げ確率を、CME FedWatchツールによれば、約20%と見ている。
BLSが発表した公式な雇用統計(遅延分)によれば、非農業部門雇用者数は10月に10万5000人減少、11月は6万4000人増加した。さらに失業率は9月の4.4%から4.6%へ上昇した。これらの数字は、1月のFRB決定をめぐる市場の織り込みに変化を与えなかった。政府機関閉鎖による雇用減少はあらかじめ想定されていたためである。
火曜日遅くに公開されたブログ投稿で、アトランタ連銀のラファエル・ボスティック総裁は、まちまちな雇用統計は政策見通しを変えなかったと主張し、「複数の調査」で原材料コスト高が示されており、企業は価格転嫁によって利幅維持に動いていると付け加えた。
ヘッドラインの年次CPIインフレが3.3%以上に大きく上昇すれば、1月のFRBによる政策据え置きを裏付け、即座に米ドル(USD)上昇につながる可能性がある。逆に、年次インフレが2.8%以下にとどまる場合、市場は1月のFRB利下げに傾く展開が考えられる。この場合、米ドルは即座に強い売り圧力を受ける見通し。
FXStreet欧州セッション・リードアナリストのエレン・センゲゼル氏は、米ドル指数(DXY)について簡単なテクニカル見通しを示し、次のように説明する。
「短期的なテクニカル見通しでは、米ドル指数について弱気バイアスが持続するものの、下落モメンタムの喪失が見られる。日足チャートのRSIは40台まで回復し、米ドル指数は9月から11月までの上昇分のフィボナッチ50%戻し以上を維持している。」
「100日単純移動平均線(SMA)は98.60でピボットレベルとして機能する。この水準を米ドル指数が上抜け、サポートとして確定できれば、テクニカルな売り方を抑制できるだろう。その際、フィボナッチ38.2%戻しが98.85で、次のレジスタンスとなり、その上の99.25-99.40付近には200日SMAとフィボナッチ23.6%戻しが位置している。」
「一方、下値ではフィボナッチ61.8%戻しが98.00に主要サポートを形成し、その下には97.40(フィボナッチ78.6%戻し)、97.00(ラウンドナンバー)が控えている。」