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米国のスタグフレーション懸念、ビットコインと株式市場がFRB政策危機に直面

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著者:
Paul Kim

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編集:
Shota Oba

06日 8月 2025年 16:30 JST
Trusted-確かな情報源
  • 米国のスタグフレーションリスクが高まっている。関税と弱い経済指標が市場を圧迫し、伝統的資産と暗号資産の両方に懸念が生じているためである。
  • 7月の米国サービスPMIは50.1に低下し、サービス部門の成長鈍化とインフレの増加を示している。
  • ビットコインと米国株式市場はスタグフレーション懸念の中で下落し、アナリストは連邦準備制度の利下げ予想を調整した。
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トランプ米大統領による関税政策が、米国経済をスタグフレーションのリスクにさらしている。これに伴い、連邦準備制度理事会(FRB)は難しい政策選択を迫られており、伝統的な金融市場だけでなく、暗号資産市場の価格にも悪影響が出ている。トランプ政権の新たな関税政策は最終段階にあるとみられるが、アメリカの産業界には既にスタグフレーションの兆候が表れつつある。

米国スタグフレーションの警告を示す経済データ

米供給管理協会(ISM)は火曜日、予想を下回る米サービス業の購買担当者景気指数(PMI)を発表した。7月の米サービスPMIは50.1となり、市場予想の51.5を大きく下回った。指数が50を超えているため、サービス業は拡大を続けているものの、前月の50.8から0.7ポイント低下した。

つまり、米サービス業の成長は継続しているものの、予想よりもはるかに弱く、縮小寸前の水準に近づいている。

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さらに雇用指数は46.4に低下し、前月比0.8ポイントの悪化となった。この指数が50を下回ると企業が雇用を削減していることを示し、3月以来の低水準となっている。一方で、価格指数は69.9と前月から2.4ポイント上昇し、2022年10月以来の高値となった。この指数が50を上回ると物価の上昇を示す。

雇用の減少と物価の上昇が同時に進む状況は典型的なスタグフレーションであり、国民にとっては雇用が見つかりにくく、生活コストが増加することになる。また、政策担当者は失業率の抑制とインフレ対策のどちらを優先するか、難しい選択を迫られる。

中央銀行がインフレ抑制を目指す場合、金利を引き上げる必要があり、一方で景気を支えるには利下げが求められるため、スタグフレーション下では両者を同時に解決することが非常に難しい。

スタグフレーションの兆候が暗号資産市場を圧迫

こうした懸念が火曜日の米金融市場に影響を与えた。ダウ工業株30種平均は61.90ポイント(0.14%)安の44,111.74ドルで引けた。S&P500指数は30.75ポイント(0.49%)安の6,299.19ドル、ナスダック総合指数も137.03ポイント(0.65%)安の20,916.55ドルとなった。暗号資産市場でもビットコインが約1%の下落を記録した。

7月の雇用統計の報告以降、市場の利下げ期待にも変化が見られる。市場は年内の利下げ回数予測を従来の3回から2回に引き下げた。CMEグループのFedWatchツールによると、市場は現在9月と10月にそれぞれ25ベーシスポイント(0.25%)の利下げを予測している。

12月のFRBによる政策金利については、利下げと据え置きの予測がほぼ拮抗しており、その差はわずか2%となっている。しかし、今後スタグフレーションの懸念が強まれば、この差が拡大する可能性がある。

特に暗号資産市場では、7月18日にGENIUS法案が米議会を通過して以降、ビットコインが経済指標の影響を強く受けるようになった。多くのアルトコインもビットコインの値動きに追随しているため、今後の動向が注目される。

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