Vercelは、CEOがイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とのセルフィーを投稿したことで激しい論争に直面している。これを受け、従業員の辞職やプロジェクト契約のキャンセルが相次ぎ、同社の事業に影響が出ている。
騒動は同社のWeb3分野への統合を妨げる可能性がある。すでに競合企業はVercelのインフラから移行するよう強く非難し、移行方法を解説するチュートリアルを公開している。
SponsoredVercel CEO、ネタニヤフ首相と会談
米国のAI・クラウド企業VercelはWeb3分野では大手ではないが、Ledgerとの提携やCoinbase基盤でのウォレットマネージャー構築、SUI上のNFTマーケットプレイス支援など着実に存在感を強めていた。
しかし、CEOがネタニヤフ首相と会談しAIについて議論、その後に撮影したセルフィーをSNSに投稿したことが問題となった。
即時の激しい反発
ネタニヤフ首相は国際刑事裁判所から指名手配を受け、ガザでのジェノサイド容疑もかけられている。投稿後数時間で従業員が辞職、複数のプロジェクトが契約破棄を表明した。
一部の支持も存在し、CoinbaseのエンジニアがCEOの行動を称賛したが、個人の意見に過ぎず、彼自身も強い批判を浴びた。
Sponsored論争の中、競合するAIプロトコルや開発者が移行ガイドを公開し、利用者のVercel離れを加速させる動きも出ている。
新たな機会と示唆
ReplitのCEOアムジャド・マサド氏はネタニヤフを「地獄のサタン」と非難し、Vercelからの移行チュートリアルを公開。この投稿は拡散し、30万回以上閲覧された。
Cloudflareも先週、暗号資産/AIパートナーシップを発表しており、すでにVercelから移行する動きも確認されている。
ネタニヤフとのセルフィー騒動は、VercelがWeb3分野で成長する上で大きな障壁になる可能性がある。さらに、ガザの土地トークン化計画に関心を示す一部のブロックチェーン企業の姿勢とも重なり、政治的連携がいかに企業評価を左右するかを浮き彫りにした。
今回の件は、暗号資産・Web3業界にとって、政治的判断が評判や事業継続に直結するリスクを改めて示す事例となった。