日本国内でNFTやDAO、コミュニティトークンを活用した地方創生の取り組みが具体化している。メディアエクイティは20日、内閣府モデル事業として自治体とアイドル、ファンが共同開発した商品を2月に東京・錦糸町マルイで販売すると発表した。エイチ・アイ・エス(HIS)とフィナンシェも同日、長野県木曽町を起点とするデジタルコミュニティを公開した。政府の総合戦略もこうした技術活用を後押しする。
SponsoredNFT×DAOで商品を共創、東京で販売会
メディアエクイティは2月11日より、内閣府「地方創生2.0」モデル事業の一環として進めてきたNFT×DAOプロジェクトの成果を、東京・錦糸町マルイで販売という形で提示する。同社は、奈良県宇陀市、山梨県大月市、和歌山県那智勝浦町の3自治体と連携し、アイドルやファン、地域事業者が共同で商品を企画・開発する枠組みを構築してきた。
このプロジェクトでは、NFTを「プロジェクトパス」として発行し、保有者がDAOの構成員として商品デザインや販売方法に意見を反映できる仕組みを採用した。単なる物販にとどまらず、ファンが地域事業に参加するプロセスそのものを可視化する点が特徴となっている。
アイドルと自治体、ファンが直接つながる設計
販売会では、平嶋夏海、佐々木優佳里、兒玉遥、音楽グループRain Treeのメンバーらが関わった企画商品を扱う。メディアエクイティは、出演者やファンの影響力を活用しながら、地域産品の付加価値を高める狙いだ。
DAOを通じた意思決定は、従来の観光施策や物産展とは異なり、地域外の人材が継続的に地域と関わる導線をつくる。内閣府モデル事業として、NFTやDAOを地域経済の実装段階に持ち込む事例として位置付けられている。
SponsoredHISとFiNANCiE、木曽町で「第2のふるさと」
一方、旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)とトークンプラットフォームを運営するフィナンシェは20日、長野県木曽郡木曽町・開田高原を起点とする「第2のふるさとプロジェクト」を始動した。両社は同日、FiNANCiE上で地域コミュニティ「木曽馬みらいラボ」を公開した。
同プロジェクトは、観光客を一度きりの来訪者で終わらせず、デジタル上で地域と関わり続ける「関係人口」へ転換することを目的とする。参加者はコミュニティトークンを通じて情報共有や企画参加を行い、地域との関係性を継続的に深める設計となっている。
政府戦略とWeb3型地方創生の位置付け
こうした民間主導の動きの背景には、政府の方針転換がある。内閣府は2025年12月23日、「地方創生に関する総合戦略」を公表し、デジタル技術を活用した地域活性化や関係人口の創出を柱の1つに据えた。戦略は、地域資源を生かした産業創出や人材循環を重視し、自治体ごとの主体的な取り組みを促している。
NFTやDAO、コミュニティトークンは戦略文書の中心概念ではないものの、地域内外の人を結び付ける手段として活用余地がある。今回の事例は、Web3技術が地方創生の実務にどう組み込まれるかを示す試金石となりそうだ。