米下院が22日、「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法（FIT21）」の採決に臨む中、法案に対するホワイトハウスの立場が注目されている。政権は法案に反対し、懸念を表明しているが、拒否権を発動するほどではない。
バイデン政権は、暗号資産に対する包括的でバランスの取れた規制の枠組みを策定するため、議会と協力する意向を示している。
バイデン政権はFIT21を拒否、暗号資産規制には前向き
水曜日の声明で、政権はFIT21のいくつかの重大な問題を概説した。主な懸念は、消費者と投資家に対するより十分な保護が必要であるという法案認識であった。
「政権は、米国におけるデジタル資産の規制構造に影響を与えるH.R. 4763の可決に反対する」と声明は発表された。
ホワイトハウスがFIT21に反対したことは、下院が採決の準備を進めている中で重要な意味を持つ。FIT21が法制化されれば、暗号スポット市場やビットコインなどのデジタル商品に対する規制監視が大幅に強化されることになる。また、当初は投資契約の一部として提供されるデジタル商品の流通市場取引の仕組みも導入される。
賛否両論ある中での超党派の支持
FIT21への反対にもかかわらず、ホワイトハウスは議会との協力を強く望んでいる。声明はさらに、消費者と投資家を保護しつつ、イノベーションを助長する環境を促進するために既存の権限を活用するという政権の意図を強調した。シンシア・ルミス上院議員は、法案が超党派で支持されていることについて次のようにコメントした。
「暗号資産を支持する超党派の多数派が両議会に存在する。未来は非常に明るい」と述べた。
JUST IN: 🇺🇸 US Senator Cynthia Lummis says "there's a bipartisan majority in both chambers of Congress in favor of crypto. The future is very bright."
— Watcher.Guru (@WatcherGuru) May 22, 2024
FIT21は論争を巻き起こしている。マキシン・ウォーターズ下院議員は下院規則委員会で法案を批判した。ウォーターズ議員は、FIT21は商品先物取引委員会（CFTC）のリソースを引き伸ばし、執行能力を弱めることになると主張した。また、より多くのスタッフを抱える証券取引委員会（SEC）の方が、この業界を監督するのにふさわしいと強調した。
SECのゲーリー・ゲンスラー委員長もFIT21への反対を表明している。ゲンスラー氏は、この法案は、資産が証券として適格かどうかを判断するために不可欠な法的基準であるHowey Testを無視することで、新たな規制上のギャップを生じさせると警告した。
FIT21は上院での先行きは不透明だ。民主党が支配する上院では、多くの有力議員が法案にほとんど関心を示していない。投資銀行のTDコーウェンは最近、FIT21が今議会で成立することはないと示唆した。
政治力学も法案の運命に影響を与えるかもしれない。次期大統領選で有権者に影響を与える可能性があることから、バイデン政権が暗号資産に注目しているという噂がある。共和党の次期大統領候補ドナルド・トランプ氏は、暗号資産での選挙寄付を受け入れるなど、暗号資産に前向きな動きを見せている。
FIT21をめぐる議論は、暗号市場を規制することの複雑さを浮き彫りにしている。下院が採決を控えている中、政権の姿勢は、暗号資産業界の技術進歩を促しながら、市場の安定性を確保する規制の枠組みを策定することの重要性を反映している。
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