YZi Labsが、創業者支援を目的とした10億ドル規模のBNBエコシステムファンドを立ち上げた。
この発表は、BNBが過去1か月で11.6%上昇するなど、強気の地合いを維持する中で行われた。過去の事例からも、エコシステムファンドはブロックチェーンネットワークの成長と資産価格の上昇を後押しする強力なカタリストとなっており、投資家の間ではBNB相場のさらなる上昇期待が高まっている。
SponsoredBNBエコシステムに10億ドルの追い風
YZi Labsが発表した10億ドル規模の新ファンドは、BNBチェーン上の開発者支援を加速させる狙いがある。同社は2025年1月にBinance Labsからリブランドし、現在はWeb3・AI・バイオテック領域におけるVC投資とインキュベーションを展開している。
新ファンドでは、BNBチェーンのアクセラレータープログラム「Most Valuable Builder(MVB)」がYZi Labsの「YZi Residency」プログラムに統合され、BNBビルダー向け専用トラックとして運営される。選定プロジェクトは最大50万ドルの資金を獲得し、BNBチェーンおよびYZi Labsのコアチームによるメンタリングや開発支援を受けることができる。
声明の中でYZi Labsは、BNBチェーン(旧BSC)が現在、日次取引数・DEX取引量・アクティブユーザー数でブロックチェーン業界トップに立っていると強調。Token Terminalによると、月間アクティブアドレス数は5,780万に達し、ソラナの3,850万を上回る。日次取引量は47億ドル、ネットワーク手数料収入は557万ドルに及ぶという。
この勢いを支えているのが、分散型取引所Asterの急成長だ。Asterにロックされた総価値(TVL)は直近で500%以上増加し、24億ドルに到達している。
エコシステムファンドが価格を押し上げる「歴史的パターン」
エコシステムファンドは、過去にも主要プロジェクトの成長と資産高騰を引き起こしてきた。今回のBNBファンドも、ネットワークの開発支援だけでなく、市場心理を刺激する役割を担う可能性がある。
- Oasis Network(ROSE): 2021年末、1億6,000万ドル規模だったファンドを2億ドルへ拡大。Binance Labsなどが参画し、ROSEはわずか2か月で約250%急騰。
- NEAR Protocol: 2021年10月、8億ドルのファンドを設立。エコシステム支援によりトークン価格は3か月で2倍の18ドルに上昇。
- Avalanche Foundation: 2021年11月、「Blizzard」ファンド(2億ドル)を設立。DeFi・NFT領域を強化し、AVAXは1か月で67ドルから123ドルへ高騰。
これらの事例が示すように、資金注入は単なる支援ではなく、トークン価格上昇の引き金となることが多い。今回のBNBエコシステムファンドも、流動性拡大と市場心理の改善を通じて、BNBの上昇トレンドをさらに強化する可能性がある。
現在の市場では、BNBが技術・流動性・コミュニティの三要素でトップ水準にあり、今回のファンドは「次のAster」を生み出す触媒となると見られている。