XRP相場が2025年の最終局面を迎えるなか、先行きの方向性を左右する局面に差し掛かっている。長期チャートでは依然として下落基調が続き、月間では約16%値を下げた。一方、オンチェーンデータやモメンタム指標からは、売り圧力がピークを越えつつある兆候も浮かび上がる。
実際、売り手主導の取引量は直近で約39%減少したとされる。ただし、価格は依然として主要な供給ゾーンの下で推移しており、明確な反転を示すシグナルは確認されていない。市場の関心は、弱まりつつある売り圧力だけでXRPが既存の供給の壁を突破できるかどうかに集まっている。その水準を超えられるか否かが、年末にかけた相場展開を大きく左右しそうだ。
Sponsored売り手の主導権低下か
リバウンドの初期兆候は、トレンド変化が最初に表れやすい12時間足チャートに現れている。
11月21日から12月18日までの間、XRP価格は安値を更新した。同期間、RSIは切り上げていた。RSI(相対力指数)はモメンタムを測る指標。価格が下がってもRSIが改善する現象は、強気のダイバージェンスを示す。
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このパターンは、XRP価格が下落を続けたものの、売りの勢いが弱まったことを示唆している。売り手は依然として活発だが、もはや以前ほどの勢いでモメンタムを押し下げることができなくなった。
オンチェーンデータもこうした変化を裏付けている。
Sponsored SponsoredXRP HODLerネットポジション変化は、長期保有者がコインを買い増しているか、売却しているかを追跡する。12月11日にはネット売却が約2億1690万XRPでピークに達した。12月18日には約1億3220万XRPに落ち着いた。
この結果、日次ベースの売り圧力はおよそ39%減少した。
簡単に言えば、売り手は依然存在するが、市場に放出されているコインは大幅に減っている。この動向はRSIのダイバージェンスとも一致し、下方圧力の後退を裏付ける材料となる。
この状況は必ずしも上昇を保証しない。しかし、市場はもはや売り手が完全に支配する局面からは脱している。
Sponsored SponsoredXRPの重要な価格水準が行方を左右
たとえ売り圧力がさらに和らいだとしても、XRPは依然として大きな構造的ハードルを前にしている。
オンチェーンの取得コスト分析によれば、1.96ドル〜1.97ドルの間に強固な供給集積が存在する。このゾーンで約18億2000万XRPが集められた。コストベースデータは保有者がコインを取得した水準を示す。価格がその水準に戻ると、多くの保有者が損益分岐点に到達し、売却に動きやすい。
このため、1.96ドル~1.97ドルの価格帯は強力なレジスタンスゾーンとなる。
Sponsored価格チャートもこれを裏付ける。XRP価格は1.96ドルの上維持に再三失敗し、リバウンドも同じ水準付近で頭打ちになっている。もし現在値から反発が生じても、売り手が再び現れる可能性が高いのはこの領域。
反発が本格的なトレンド転換となるには、XRP価格が1.96ドルを明確に日足で上抜ける必要がある。その確認がなければ、上昇も再び失敗に終わるリスクが高い。
一方、下値の焦点としては1.76ドルが重要な無効化水準となる。これを割り込むと再び売り手が主導権を握る兆しとなり、さらなる下落余地が生まれる。
結論は明確だ。売り圧力は大きく低下し、モメンタムは改善している。しかしXRPが明確に1.96ドルを突破しない限り、市場は弱まりつつある売り手と強固な供給の壁の間で膠着状態が続く。