暗号資産XRPの価格が軟調な展開を続けている。市場では一時的な反発局面で投資家心理の改善もみられたが、価格は2ドルを明確に下回った水準で推移し、上昇の勢いは持続していない。
強気ムードが広がる局面でも、取引件数やアクティブアドレス数といったネットワーク指標は目立った回復を示しておらず、需給の裏付けを欠いた状態が続く。実需を伴うネットワーク活動の停滞が、XRPの本格的な価格回復を抑える要因となっている。
SponsoredXRP保有者が市場に貢献
HODL Wavesのデータによれば、長期保有者によるXRPへの確信が高まっている。今月初め以降、1~2年間XRPを保有するウォレットが全供給量に占める割合は3%増加した。この層は流通するXRPのおよそ11%を保有している。
これは中期の保有者が長期保有者へ移行していることを示す。こうした動きは、価格下落局面での投資家の信頼感の現れであることが多い。同投資家層は短期的な価格変動に動じず、将来の回復を見込んでボラティリティに耐える姿勢を見せている。
一方で、中期保有者の多くが含み損状態であり、XRPの保有を余儀なくされていることも示唆される。
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とはいえ、マクロ指標からは依然として課題が示される。ネットワーク価値対取引高(NVT)比率は高水準となっている。NVTの上昇は、価格評価がオンチェーン利用を上回っていることを示しやすい。
この指標は直近3カ月の高値を記録しており、加熱感も表れている。XRPの取引活動は市場の期待に追いついていない。このギャップが回復局面の重しとなり、ネットワーク活用や継続的な需要の裏付けを伴わない価格上昇は持続しにくい。
XRP価格、暴落回避の可能性
XRPは本稿執筆時点で1.86ドル付近で推移し、先週割り込んだ2ドルの水準を大きく下回っている。今月初旬に1カ月に及ぶ下落トレンドを抜け出す試みが失敗に終わったことが原因であり、勢いは依然として脆弱なままである。
トークンは以前にも下値支持線となった1.85ドルを維持している。売り圧力が和らげば、1.94ドル未満でのもみ合い相場を形成する可能性がある。しかし、センチメントがさらに悪化すれば1.79ドルまで下落し、短期的な損失を拡大しかねない。
回復にはネットワーク活動や市場全体の安定が前提となる。1.94ドルを上抜ければ、2.00ドル回復への第一歩となる。2.02ドルを支持線へ転換できれば、XRPは2.20ドルまで上昇し、弱気トレンドが無効化される可能性がある。