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XRPL軸に日本発の金融インフラ支援始動=Web3育成で官民連携

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執筆&編集:
Shigeki Mori

25日 12月 2025年 10:24 JST
  • JFIIPはXRPLを活用し、金融インフラ分野のWeb3スタートアップを支援する枠組みとして始動した。
  • 規制対応や金融機関との接続を前提とした事業化支援が特徴となっている。
  • 日本の暗号資産政策が実装段階へ移行する中で、官民連携の試金石となる。
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一般社団法人Asia Web3 Alliance JapanとWeb3 Salonは、XRP Ledger(XRPL)を活用した金融インフラ分野のスタートアップ支援に乗り出す。「日本金融インフライノベーションプログラム(JFIIP)」と名付けられた同枠組みは、暗号資産技術を前提としつつ、規制環境や既存金融との接続を重視する点に特徴がある。国内Web3政策が実装段階へ移行する中で、官民連携の新たな試みとなる。

JFIIPの位置づけと制度的背景

一般社団法人Asia Web3 Alliance Japan(AWAJ)とWeb3 Salonは2025年12月24日、日本発のスタートアップ支援枠組みとして日本金融インフライノベーションプログラム(Japan Financial Infrastructure Innovation Program:JFIIP)を公表した。JFIIPは、暗号資産や分散型台帳技術を金融インフラの一部として実装することを目的とし、研究・実証段階にとどまりがちだったWeb3プロジェクトを事業化フェーズへと押し上げる役割を担う。

JFIIPには、ブロックチェーン関連企業に加え、既存金融分野からの参画も含まれている。主なパートナーとして、Rippleのほか、みずほ銀行SMBC日興証券Securitize Japanなどが名を連ねる。銀行、証券、トークン化基盤、投資ファンドといった異なる立場の組織が関与することで、技術検証にとどまらず、金融実務や制度対応を意識した支援体制が構築されている点が特徴といえる。

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この構成は、Web3スタートアップ単独では対応が難しい金融機関との接続や、規制を前提とした事業設計を現実的なものとする狙いがある。一方で、パートナー各社の関与はあくまで支援・協力の枠組みに位置づけられており、個別プロジェクトの商用化や投資判断は、今後の事業進捗に委ねられる。

近年、日本の暗号資産市場は投資対象としての規模を拡大する一方、決済や資産管理といった金融インフラ領域では、制度面や実務面の制約から本格的な導入が限定的だった。JFIIPは、こうした状況を踏まえ、スタートアップ単独では対応が難しい規制対応や金融機関との接続を支援枠組みの中に組み込んだ点に特徴がある。

XRPLを活用した技術前提と支援内容

JFIIPでは、技術基盤の1つとしてXRP Ledger(XRPL)の活用が想定されている。XRPLは、分散型台帳としての処理性能や安定性を背景に、決済や資産移転など金融ユースケースでの利用実績を持つ。例えば、クレジットカード大手のマスターカードが11月、暗号資産取引所GeminiおよびRippleと協業し、XRPL上で発行される規制済みステーブルコイン「RLUSD」を用いたカード決済モデルの検討を進めると発表した。これは、ブロックチェーンベースの金融インフラを既存の決済ネットワークと接続する試みとして位置づけられる。

また国内では、SBI Ripple Asiaが東武トップツアーと提携し、2026年前半に稼働を想定した「XRPLベースの決済プラットフォーム」の構築を進めているとされるなど、観光・EC分野での実装に向けた動きも報じられている。こうした事例は、金融インフラとしてのブロックチェーン技術の利用可能性を示す具体例として注目される。

JFIIPの支援内容には、事業設計や技術検証に対する助言、規制対応を前提としたビジネスモデル構築のサポートが含まれる。加えて、一定額の助成金や、投資家・金融関係者との接点を提供する場の設計も予定されている。これにより、Web3スタートアップが直面しやすい初期段階の資金制約やネットワーク不足を補完する狙いがある。

Web3実装フェーズに向けた意義と課題

JFIIPの意義は、暗号資産技術を単独の新規産業としてではなく、既存金融システムを補完・更新するインフラ技術として位置づけている点にある。国内では、Web3を巡る政策議論が進む一方、具体的な社会実装は限定的にとどまってきた。JFIIPは、官民連携を通じてこのギャップを埋める試みといえる。

もっとも、金融インフラとしての実装には、セキュリティ、ガバナンス、利用者保護といった課題が残る。JFIIPが実効性を持つかどうかは、選定されるプロジェクトが制度要件を満たしつつ、持続的な事業モデルを構築できるかに左右される。日本のWeb3政策が次の段階へ進む上で、本プログラムの成果が1つの指標となりそうだ。

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