プライバシー系暗号資産の代表格であるZECが3年ぶりの高値に急騰した。過去24時間で83%上昇し、1日のトップパフォーマーとなった。1週間では150%の伸びを記録し、他のプライバシー資産を圧倒している。
ただし、注意が必要だ。オンチェーン指標は、急激な上昇が持続不可能な領域に達している可能性を示しており、修正局面入りを警告している。
Sponsoredグレースケール、新設信託がZEC需要を加速
ZECの急騰は、グレースケールが認定投資家向けに「Zcash Trust」を立ち上げた直後に起きた。この商品は、投資家がトークンを直接購入・保管することなくZECにエクスポージャーを得られる仕組みである。
この発表を受け、過去1日でZEC需要が急増し、数年来の高値に押し上げられた。一方で、修正リスクは依然として残っている。
市場不安定さがZECラリーを試す可能性
警戒すべきサインの一つは、ZECのソーシャルドミナンスが5年ぶりの水準に達したことだ。Santimentのデータでは現在1.21%を記録している。
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Sponsoredソーシャルドミナンスは、暗号資産市場全体の会話における特定銘柄の議論比率を示す。急騰は過大評価や市場の過熱感を示唆し、修正リスクを高める傾向がある。
さらに、主要取引所でのZEC資金調達率は過去1週間、不安定な推移を続けており、ロングとショートが交互に優勢となっている。
この不安定さは、ZECの上昇が強固な投資需要ではなく短期的な投機によって支えられている可能性を示す。センチメントが変化すれば、急落のリスクは大きい。
ZEC、過熱が冷めれば112ドル台に後退も
新規需要が続かなければ、ZECは134.48ドルのサポートを試す展開となり、割り込めば112.72ドルまで下落する可能性がある。
一方で、強気の勢いが続けば、ZECは161.35ドルを突破し、さらに上値を狙う可能性も残されている。