Web3分野のオンライン教育・人材育成支援企業zero to one(本社・仙台)は26日、野村證券と共同開発した行政職員向けWeb3教育プログラムの無償提供を開始した。ブロックチェーンとNFTに焦点を当てた入門教材は、地方創生やデジタル化推進を担う公務員のリテラシー向上を目的とする。同プログラムは国家公務員法および地方公務員法上の一般職を対象としており、早稲田大学大学院の斉藤賢爾教授が監修を担当している。
Web3技術が地方創生の実践ツールに
ブロックチェーンとNFT技術は、地域資源のデジタル化や新たな経済圏形成を通じた地方創生の手段として注目を集めている。関係人口の創出や官民連携の高度化など、政策レベルでの活用が現場で求められる段階に入っているものの、行政実務において体系的に学ぶ機会は限られていた。
Sponsoredzero to oneの竹川隆司代表取締役は、「行政職員がWeb3を正しく理解し、地域や政策の文脈で検討できる土台づくりが重要」と語った。
技術的背景を含めた基礎知識の習得は、デジタル社会に向けた公共サービスの変革を推進する上で不可欠だとの認識が背景にある。
今回提供される教材は、既存の「ビジネス活用のためのWeb3」コースから行政実務に関連性の高い部分を抜粋したもの。ブロックチェーンの基本構造やNFTの主要概念について、国内外の活用事例や制度的論点を交えながら解説している。デジタルやITを専門としない職員でも理解できる構成となっており、組織内の共通理解醸成に活用できる。
実務に即したカリキュラム設計
プログラムは完全オンラインで完結し、ビデオ教材と確認テストで構成される。監修を担当する斉藤賢爾氏は、コーネル大学で工学修士号、慶應義塾大学でデジタル通貨研究により博士号を取得したブロックチェーン分野の専門家である。早稲田大学大学院経営管理研究科教授として、実務と学術の両面から知見を提供している。
カリキュラムはブロックチェーン技術の基礎から応用まで体系的に学べる設計となっている。行政サービスのデジタル化や地域活性化の取り組みにおいて、技術の可能性と課題の双方を理解できる内容だ。短時間で基礎を習得できる点も、多忙な行政職員にとって利点となる。
野村證券は「Web3ポケットキャンパス」を運営しており、基礎知識教材やユースケース解説など、Web3ビジネス実現に向けたコンテンツを提供している。今回の行政職員向けプログラムは、こうした民間向けサービスを公共セクターに展開する取り組みの一環だ。
行政DX推進の人材育成基盤として
対象となるのは国家公務員法あるいは地方公務員法上の一般職に該当する職員である。メールアドレスのドメイン名で対象者を判別する仕組みを採用しており、申請手続きの簡素化を図っている。専用サイトから登録することで、教材へのアクセスが可能となる。
社会や技術の変化が加速する中、行政に携わる人材には新たなテクノロジーを正しく理解し、その可能性と課題を見極める視点が求められている。Web3分野はまさにその対象となる領域だ。zero to oneと野村證券は、本プログラムを通じて行政DXを支える人材育成と、次世代のデジタル社会に向けた知的基盤の形成に貢献する方針である。
地域のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進において、技術理解を持つ行政職員の存在は重要な要素となる。ブロックチェーン技術の特性を理解した上で、地域の実情に応じた施策立案が可能になるからだ。無償提供という形式は、全国の自治体が財政負担なく人材育成に取り組める環境を整備する試みといえる。