AI(人工知能)開発を競う企業は、「急げ」という圧力を率直に示すようになった。現在、データセンターの開業が遅れるごとに1日500万ドル以上の違約金を求めている。
その違約金は、建設業者および出資している株主が負担する。今春には、あるテナントが1日あたり100万ドルの違約金を求めたとThe Informationが報道した。
AIのボトルネックは半導体ではなく電力
AIに関連する報道は半導体に注目が集まる。しかし、半導体を敷き詰めた建物も電力がなければ何の役にも立たない。
エネルギー調査会社Currenceが7月に発表したところによると、新たなデータセンター建設の主な障害は電力であるとNetwork Worldが報じた。
1年遅延で無償賃料640日分に
ソフトバンク傘下のSBエナジーは、オハイオ州でOpenAI向けの10ギガワット級データセンターを建設中である。開業が遅れれば、その遅延日数1日ごとにOpenAIに1日分の基本賃料免除が発生する契約となっている。
90日を超えて遅延が続く場合、無償期間は1日ごとに2日分に倍増するとウォール・ストリート・ジャーナルが、SBエナジーの新規株式公開(IPO)申請書類をもとに報じた。1年遅れると無償期間は640日分にのぼる。
一方、同キャンパスの主力電源となる9.2ギガワットのガス火力発電所は、SBエナジー自身が所有・運営しない計画である。
ウォール街は既に警戒感を示す
SBエナジーは、今9月に予定していた50億ドル規模のIPOを延期した。買い手側が期待する500億ドルの評価額に難色を示したことが背景にある。報道
同社のデータセンターは、いまだ1棟も稼働していない。上半期の売上高は1億3900万ドルだった。今年12月あるいは来年にIPOを再検討する可能性がある。報道
建設遅延が市場で厳しい評価となった事例もある。2025年11月、CoreWeave株は、外部開発業者の遅延を業績予想下振れの理由としたことで、約16%下落した。報道
入居企業側は自己防衛策を盛り込む
オラクルは、「不可抗力(フォース・マジュール)」通知をニューメキシコ州のデータセンターに対して発出した。これは予見不能な事態により開発が遅れた場合、支払いを延期できる法的措置である。2028年の予定通りの稼働が果たせない場合にも、この通知が支払い猶予の根拠となる。
オラクルは計画通りに進んでいると主張。貸主のブルー・アウル・キャピタルはこの措置を重要視しない姿勢を示している。
「…今回の通知がこの複数年プロジェクトに対する財務上の義務を変えるものではない」
AI投資は賭博か、生命線か
ブロードコムのホック・タンCEOは、一部のAI投資家がカジノでギャンブルしているようだと指摘する。ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、データセンター建設中断が米国の景気後退を招くと警告する。
現在は、電力供給が工程の締め切りを決め、遅れた場合は建設業者が違約金を負担する。ニューメキシコ州の空気許可証については11月23日までに規制当局が判断する予定。











