コインベースが提供するレイヤー2(L2)ネットワークの「ベースチェーン(Base Chain)」が火曜日に一時的に停止し、ブロック生成が約20分間にわたり中断された。このトラブルは短時間で解決されたものの、ネットワーク運営におけるシーケンサーの中央集権化に対する懸念を改めて浮き彫りにした。
ベースチェーン一時停止:ユーザーが知るべきこと
今回の停止により、ベースチェーンのブロック生成が一時的にストップした。チェーンのエクスプローラー「Basescan」の記録によると、約20分間にわたりブロックが生成されなかったことが確認された。

ただし、ブロック生成以外のネットワークサービスは正常に稼働していたことが確認されている。
ブロック生成が止まったことで、一時的に新規トランザクションの記録が停止し、処理に遅延が生じた。ただし本稿執筆時点では、ベース側および創設者であるジェシー・ポラック氏から、具体的な原因についての説明はなされていない。
今回の停止はベースネットワークの初のトラブルであり、それまで約2年間、問題なく稼働してきた記録が途絶えたことになる。この状況に対しては、ソラナ(Solana)の頻繁な停止と比較する声も出ている。
ベースは23分間停止したが、特に大きな話題にならなかった。これがソラナだったら、終わりがないほど話題にされただろう。
匿名ユーザー
一方、このトラブルはシーケンサーの中央集権化が抱える潜在的リスクを改めて示したと指摘する声もある。現在、ベースのシーケンサーはコインベース取引所が単独で運営しており、これが「単一障害点」になる可能性を懸念する意見が浮上している。
今回の一時停止により、ベースのようなL2ネットワークの分散化の主張に疑問が投げかけられている状況だ。
ベースの障害で中央集権化論争、シーケンサーに注目
今回のトラブルにより、レイヤー2(L2)ブロックチェーンで重要な役割を果たしながらも、見過ごされがちなシーケンサーに注目が集まっている。
シーケンサーはトランザクションを収集、順序付け、バッチ処理し、イーサリアムのメインネットに送信する役割を担っている。ベースやアービトラム、オプティミズムなどのロールアップ技術を利用したネットワークにとっては、「航空管制官」のような機能を果たす。
これらのシーケンサーシステムは高速かつ低コストの取引を実現するが、現在ほとんどが運営企業によって集中管理されており、批判も根強い。
中央集権化されたシーケンサーは単一障害点や検閲リスク、規制圧力の影響を受けやすいという問題を抱える。
コインベースが運営するベースのシーケンサーの場合、年間約3000万ドルの収益を生んでいると推定される。
BASEはローンチ以来、すべてのシーケンサー手数料をコインベースに送っている。これらの資金が再投資やオンチェーン保管されている様子はないため、透明性の欠如から考えて、売却している可能性が高いだろう。これはイーサリアムの理念に反する行動だ。
サンティサ(DeFi研究者)
コインベースの2025年第2四半期の収益報告書では、ベースの具体的な取引量には触れていないが、「ベースの取引量は前四半期比で55%増加した」と述べられている。ただし、ベースを含む「その他の取引収益」は第2四半期から35%減の3400万ドルとなっており、シーケンサー収益の減少が一因とみられる。
ロールアップの相互運用性がなぜ重要か?ベースのような取引所主導のロールアップに競争力を持つには、外部依存がない高速性が必須だからだ。コインベースは自社運営のシーケンサーに強く依存しているが、他のロールアップには厳しい遅延を設定しており、例外はアバランチCチェーンだけだ。
ウェイ・ダイ(DeFi研究者)
これは、コインベースが分散型金融(DeFi)の領域でさらに大きな影響力を持つ可能性を示唆している。
シーケンサーの分散化を巡る議論が再び活発化する中、多くのロールアップネットワークでは未だ分散化への具体的な動きが進んでいない。
今後、イーサリアムのレイヤー2ネットワークが「分散型かつ信頼を必要としない」というブロックチェーンの本来の理念に適合するためには、さらなる取り組みが求められそうだ。
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