ウォルマートが1970年に上場した際に1000ドル投資していれば、本日その価値は約3890万ドルとなる。これは投資リターンという観点で、米国史上最大の新規株式公開(IPO)である。
この結果は、ウォルマートのIPOが現代基準ではきわめて小規模だったことを考えると、際立っている。調達額は500万ドル以下だった。2024年6月に米史上最大のIPOを果たしたスペースXは数兆ドル規模を調達した。なぜこれほど小規模な上場で莫大なリターンが生まれたのか。
株式分割が1000ドルを3890万ドルに変えた理由
ウォルマートが上場した1970年10月、30万株を1株16.5ドルで売り出し、調達額はわずか495万ドルだった。その後56年間で株価は大きく上昇した。ただし現在の株価だけでは全体像はつかめない。鍵は株式分割である。
株式分割とは、投資家が保有する株数を増やす一方で、分割時点の保有総額は変わらない仕組みを指す。例えば2対1の株式分割が実施されると、保有者は1株から2株に増やすことになる。
ウォルマートは上場以来12回の株式分割を実施した。その結果、1970年に購入した1株は、現在6144株に増えている。
「これらの企業に関する一般的なリターンの数字は間違っており、しかも毎回同じ方向に誤っている…実際の数字は388万5000%に近く、この差は12回の株式分割によるものだ」と、Taurexの市場アナリストの指摘が報告書に記載されている。
コカ・コーラはさらに顕著な効果を示している。1919年の上場時に購入した1株は、11回の株式分割を経て、現在9216株になった。現在の株価では約83万ドル相当である。
Nvidiaの好決算がランキングをすでに変動
Nvidiaはすでに順位を上げている。同調査では8月26日の終値209.66ドルをもとに、同社に1000ドル投資していれば現在839万ドルとなり、5位にランクしている。
Nvidiaの第2四半期決算では、売上高が1年間で106%増の962億ドルとなった。データセンター関連の売上高は117%増を記録。株価はその後8.7%上昇した。
金曜日にNVDA株が約226ドルとなる中、投資額は現在約900万ドル。同社はマクドナルドを上回り、ホーム・デポまであと約35万ドルとなる。
56年のランキングがこの一日で変動する結果となった。
SpaceXとAnthropicの投資家が学ぶべき教訓
最大のIPOリターンは最速の成長を意味しない。Nvidiaの年平均リターンは約39%で、ウォルマートの21%を大きく上回る。ただしウォルマートは成長に56年の時間をかけた。
長期保有こそが真の難関である。Nvidiaはドットコムバブルが崩壊するわずか14カ月前に上場し、ナスダックは最終的に約80%下落した。
またランキングには3つの重要な制約が存在する。
- コカ・コーラやマクドナルド、ウォルマートなどの何十年にもわたる配当は含まれていない。
- IPO価格で買えたと仮定しており、多くの個人投資家は実際には入手できない。
- 長期間生き残り勝者となった企業しかカウントされていない。
ウォルマートでさえ、悪い週はある。先週はまれな売上未達を受け、株価は6%近く下落した。
きょうのIPO投資家にとって、より重要なのは今後数十年で何が起こるかだ。SpaceXは1株135ドルで価格設定し150ドルで初値をつけ、過去最大規模のIPOで時価総額は2兆ドルを超えた。
Anthropicは今秋にも一段の大型調達を予定する可能性がある。
両社ともまだ株式分割は実施していない。ウォルマートの歴史が、その重要性を示している。









