7月の予想を上回る生産者物価指数(PPI)報告は、市場に懸念を広げた。インフレ圧力が予想以上に持続する可能性を示し、米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利下げ観測を後退させた。ビットコイン(BTC)は金融緩和期待を背景に上昇していたが、急落に転じた。
予想外のPPI上昇でビットコイン下落
7月の米PPIは前月比0.9%、前年同月比3.3%上昇と、見出し・コアともに市場予測を大きく上回った。木曜発表のデータは、卸売価格と生産コストの幅広い上昇を示している。
イベント | 期間 | 実績 | 前回 | 予想 |
---|---|---|---|---|
PPI MoM | 7月 | 0.9% | 0% | 0.2% |
コアPPI MoM | 7月 | 0.9% | 0% | 0.2% |
新規失業保険申請件数 | 8月9日週 | 22万4000 | 22万7000 | 22万8000 |
継続失業保険申請件数 | 8月2日週 | 195万3000 | 196万8000 | 196万 |
コアPPI YoY | 7月 | 3.7% | 2.6% | 2.9% |
PPI YoY | 7月 | 3.3% | 2.4% | 2.5% |
生産者価格の急伸は広範なインフレの前触れとなる。企業が高コストを消費者に転嫁すれば、消費者物価指数(CPI)の上昇に波及し、インフレサイクルが長期化する可能性がある。
火曜の7月CPIでは急伸は見られず、企業が現時点ではコストを吸収している可能性を示した。これらのコストの一部は、トランプ政権による関税政策が要因とみられるが、吸収は一時的で最終的には消費者に転嫁されるとの見方が多い。
こうした動きはFRBにとって金融緩和方針の調整を迫る要因となり、利下げ判断を慎重にさせる。
市場の織り込みも変化し、CME FedWatch Toolは年内利下げ回数予想を3回から2回に引き下げた。9月の大幅利下げ観測はほぼ消滅した。
小売売上高データがビットコイン相場の次の試金石に
今夜発表の米小売売上高に注目が集まっている。消費者支出を直接反映する先行指標であり、強い結果はインフレ懸念を一段と強める可能性がある。
小売売上高の増加は需要の底堅さを示し、インフレ抑制が困難な環境を示唆する。堅調な支出は、最近の雇用市場の軟化懸念を相殺する効果もあるとみられ、FRBが高金利を長期維持する根拠となり得る。
ビットコインの直近の上昇は、7月の米雇用統計が予想外に弱く、早期利下げ観測が高まった8月3日以降に始まった。
小売売上高が予想を上回り、今回のPPI上振れと重なれば、FRBの緩和期待はさらに後退する可能性が高い。
日本時間15日午前11時時点で、ビットコインはバイナンスで約11万8900ドルで取引され、マクロ経済見通しの再評価が進んでいる。
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