機関投資家による暗号資産への資本流入が過熱している。10月7日、現物ビットコインETFの1日取引量が過去最高の75億ドルを突破し、デジタル資産が完全にウォール街の主流に組み込まれたことを示した。
今年初めに承認された現物ビットコインETFは、いまや従来の金融セクターの「基幹商品」になりつつある。今回の出来高記録は、ビットコインの採用サイクルが個人主導から機関主導へ完全に移行したことを示唆している。
SponsoredBTC取引急増が「主流採用」への転換点を示す
この驚異的な出来高は、いわゆる「Uptober」ラリーの最中に発生した。ビットコインの価格は12万4000ドル付近で推移し、過去最高値に迫っている。ETF経由での流動性が急増し、暗号資産全体の時価総額も拡大している。
SoSoValueによれば、10月7日のETF総取引量は75億ドルに到達。これは金ETFやテクノロジーセクターETFに匹敵する水準であり、機関投資家の関心の強さを裏付けている。
- 市場の深度:ETFが提供する規制環境下でのアクセスが、これまで参入できなかった大手機関投資家を呼び込んでいる。
- 取引効率:豊富な流動性により、大規模ブロックトレードが即座に執行できるようになり、市場構造が成熟している。
こうした構造的変化により、現物ビットコインETFは単なる投機商品から「機関ポートフォリオの一部」へと進化した。現在、年金基金やヘッジファンドがETFを通じて間接的にビットコインを保有するケースが増加している。
中でも注目されるのが、ブラックロックのiSharesビットコイン・トラスト(IBIT)だ。
Sponsored Sponsored「これまで最速で1000億ドルに達したETFはVOO(S&P500 ETF)で2011日を要した。IBITはわずか435日でその記録を抜こうとしている」と、ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏が述べている。
IBITの成長速度は、暗号ETFがもはや「代替資産」ではなく、S&P500や国債と並ぶコア資産として評価され始めていることを意味している。
Sponsored Sponsored波及効果:イーサリアムETFの取引量が12億ドル突破
ビットコインETFの成功は、他の暗号資産ETFにも波及している。特にイーサリアムETF市場では、10月4日に取引量が122億2000万ドルに達し、史上最高を更新した。
ブラックロックのiSharesイーサリアム・トラスト(ETHA)やフィデリティのETHファンドがこのボリュームを牽引。資本がBTCからETHへ、そして他の主要アルト資産へと拡散していることが明らかになっている。
「利回り」と「分散」―― 次なる機関投資家テーマ
イーサリアムETFの注目度を押し上げているのは、単なる価格上昇ではなく、ステーキング利回りという構造的優位性だ。
Sponsored10月7日、グレースケールが米国初のステーキング対応イーサリアムETFを発表。初日に3万2000ETH(約4.7億ドル)をステーキングした。これは機関投資家が「利回り付きデジタル資産」をポートフォリオに組み込み始めた明確なシグナルだ。
ETFを通じたステーキングは、利回りと規制準拠を同時に実現する初のケースであり、今後のDeFi資産にも波及する可能性がある。
ビットコインETFが流動性と認知を提供した今、次の波は「利回り×分散」のフェーズに移行している。市場ではすでに、イーサリアムETFの成功を皮切りに、他の主要レイヤー1トークンやステーブルコイン関連ETFへの拡大が予想されている。
ETF革命が始まったのは、2024年のウォール街。2025年は、それが暗号資産全体を新しい「機関投資フェーズ」へと押し上げる年になりつつある。