2025年9月、ビットコインマイニング業界の競争が激化する中、マイニング難易度は過去最高を記録。一方で、主要マイナーの生産量は軒並み減少した。
潤沢な資金力と長期的な蓄積戦略を持つ大手マイナーが優位を保つ一方、電力コストやハードウェア効率の面で劣る中小事業者は、採算悪化という厳しい現実に直面している。
ビットコインマイニング難易度上昇、BTC生産量は減少
BeInCryptoがまとめたデータによると、Cangoは9月に約616BTCをマイニングし、前月(663BTC)から減少した。
SponsoredCleanSparkは629BTCを生産し、微減。Riot Platformsは445BTCを生成し、8月の477BTCから下落。BitFuFuの生産量も329BTCへ急減した。一方で、Marathon Digital Holdings(MARA)は736BTCをマイニングし、保有BTCをさらに拡大している。
これらのデータは、大手マイナーが安定した稼働を維持している一方で、小規模事業者が難易度上昇や電力コストの高騰に苦しみ始めていることを示唆している。
9月時点で、ビットコインネットワークの難易度は過去最高の142.34Tに達した。この継続的な上昇により、ハッシュレート1単位あたりの収益(ハッシュプライス)はさらに低下。つまり、同じ計算力でも得られるBTCは少なくなっている。
結果として、特に電力単価が高い地域や旧式ハードウェアを用いるマイナーは利益率の縮小が続き、採算ラインぎりぎりでの操業を余儀なくされている。
さらに、ニューヨーク州では反ビットコインマイニング法案が提案されており、マイニング企業への累進課税を導入、得られた税収を住民の電気料金軽減に充てる案が浮上している。法案が可決されれば、数十億ドル規模のデータセンター計画に影響を与え、州内の暗号資産規制を一段と厳しくする可能性がある。
総じて、9月のビットコイン生産データはマイニング業界にかかる圧力の増大を物語る。難易度上昇と収益率低下の中でも、MARAのような効率的インフラとBTC蓄積戦略を持つ大手企業は依然として優位を維持している。
一方で中小マイナーは、BTCの一部売却や電力契約の見直し、事業再編を迫られる局面にある。今後のマイニング競争は、効率と資本力の差が生死を分ける局面に突入している。