米ナスダック上場のキール・インフラストラクチャー(旧ビットファームズ)は、前四半期に保有していたビットコイン(BTC)2261枚をすべて売却した。今後はマイニングで得たBTCも、その日のうちに全量を売却する方針だ。
BTCの保有による株価の下支えはなくなった。一方、AIデータセンターの入居企業が賃貸契約を結ぶまでは、同社の売上高は引き続きビットコイン相場に左右される。
ビットファームズは依然ビットコイン関連株か
キールは9月30日までの四半期に2,520BTCを売却したことが、決算で明らかとなった。このうち備蓄分と新規マイニングの259枚を含め、1億9,200万ドルを調達した。
平均売却単価は1枚あたり約7万6,200ドル。キールは「相場が強いタイミングで売却した」と説明するが、売却による実現損3,200万ドルを計上した。
同社は、ケベック州での出力分を毎日売却することで、保有ビットコインの価格変動リスクを解消したと述べる。
一方、四半期ごとの報告書では、その逆の側面も指摘。現時点で数少ない収益源である残りのマイニング施設が、今後もビットコインの価格変動による影響を受けるリスクを警告している。
キール自身の数値によれば、答えは部分的と言える。もはやビットコインを保有はしていないが、AIテナントが賃料を支払うまでのあいだはマイニングによって収益を得ている。
キール株は木曜日午前9時40分(米東部時間)に9.5%安の1.90ドル。5日間で約18%下落したとナスダックのデータが示す。
ビットコイン・マイナーはなぜコインを売却するのか
ライバルのRiot Platformsも前四半期に保有ビットコインの79%を売却し、テキサス州のAIデータセンター資金に充てた。8月のBeInCryptoの報道によれば、マイナーはマイニングしたコインの売り越しに転じている。
キールの1日あたり売却量は、直近四半期の生産で1日3枚程度と小規模。ただし、資金使途の変化が最大のポイントとなっている。
キールは自社発電設備を高性能計算(HPC)データセンター、すなわちAI基盤となる半導体施設へ転換中。建設は9月にワシントン州モーゼスレイクで開始し、最初のHPC関連収益は2027年を見込む。
「わが社は強固な資本体制を維持しており、現預金流動性は約7億8,000万ドル。リース契約成立までは追加の負債・株式調達は不要である」ジョナサン・ミアーCFO(キール・インフラストラクチャー)談。
四半期報告では、9月30日現在で長期負債10億2,000万ドルも記載。売上高は5,900万ドル減で2,800万ドルとなった。
ベン・ガニョン最高経営責任者によれば、信用力ある複数の応札者が3カ所にて契約交渉中だが、現時点でリース契約は未締結。リスク要因としてペンシルベニア州のデータセンターに関する行政命令や、地元の反対運動も掲げている。











