ビットコインETF(BTC)の米国証券取引委員会による承認は、米国のみならず世界中の暗号資産(仮想通貨)投資家が注目している事例であるが、アナリストらは必ずしも楽観的ではないようだ。
オンチェーン分析プラットフォームGlassnodeの20日のレポートによれば、ビットコインETFはビットコイン市場に大きな需要を引き起こし、ボラティリティを増加させる可能性があると指摘。アナリストの分析によれば、株式、債券、金などの投資家がビットコインへの投資を行うことで、最大705億ドルの市場流入が期待される。現在、ビットコインの長期保有が増え、76%以上が長期保有されていることから市場の流動性には限りがある。同社の調査によると、機関投資家からの需要増加にも関わらず、短期トレーダーの供給は低下し、取引所の残高も市場流動性の制約を示している。
米国の投資ファンドパンテラキャピタルは15日のレポートで、ウォールストリートの格言「噂を買い、ニュースを売る」とビットコイン市場の相関性について見解を示した。レポートは、スポットビットコインETF発表前に、CME Futures発表(17年12月18日)とCoinbase公開上場(21年4月14日)でビットコインが最高値を記録し、その後大幅に下落した事例をもとに分析を行った。
ブラックロックのETFがビットコイン市場に革新をもたらすか
同レポートでは、ブラックロックのETFがビットコイン市場に革新をもたらすと予想。ビットコインETFは、資産クラスとしての地位確立に重要で、SECによる却下は事実上のショートが積まれる契機であると見なされる可能性がある。ゴールドETFの影響と類似したビットコインETFの影響が予測されている。ゴールドETFとの類似性はクリプトクアントやその他アナリストも指摘している。
同社はビットコインETFの導入は、ビットコインに対する需要構造を恒久的に変え、暗号通貨投資の正当化に寄与すると見ている。同社はビットコインETFは市場に重要な影響を与えるとされている。また、ETFによる価格設定の効率化と市場性の向上が期待されるが、一方で従来の小売市場から需要を奪う可能性も指摘されている。
パンテラキャピタルは8月、半減期の477日前が価格の底であり、半減期後は平均で480日間上昇するとの分析を公開。もし同様のパターンが続くと、24年の半減期前のビットコイン価格は3万5000ドルを推移したとしても、半減期後は14万8000ドルに達する可能性があるとした。パンテラキャピタルのダン・モアヘッド氏は「ビットコイン供給の半減に伴い、価格上昇は避けられない」と述べ、強気を示した。
年末までに4万ドル台を狙うビットコイン
暗号資産サービスを提供するMatrixportは23日のレポートでマーカス・ティーレン研究戦略責任者は、バイナンスの米国司法省との和解と同社のジャオ元CEOの辞任が暗号通貨市場に大きな影響を与え、ビットコイン価格が年内に4万ドルを超える可能性が高いとの見解を示した。同氏はビットコイン価格は年末までに5万6000ドル代まで急騰する可能性があるとの見解を示していたが見解を修正した格好だ。
ティーレン氏によれば、ビットコイン価格は3万6000ドルから反発し、4万ドルを超えることは避けられないと予測。11月末に3万8000ドルを超える確率は80%、12月に4万ドルを超える確率は90%と見積もっている。同氏はまた、ビットコイン価格が12月に12%上昇し、4万2000ドルに達する可能性があるとした。
同氏は、USDT市場資本化の50億ドル増加が、機関投資家のステーブルコインへの移行や米国のビットコインETF承認可能性の高まりについても言及。インフレ低下と債券利回りの減少が株式市場と仮想通貨市場の関連性を強化すると予測した。
Follow us on:
X(Twitter):@BeInCryptoJapan
Telegramチャンネル:@BeInCrypto Japan オフィシャルチャンネル
免責事項 - Disclaimers
当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。