キャシー・ウッド氏は、今年多発した人工知能(AI)に関する悲観的な報道について、その多くの責任がアンソロピックのダリオ・アモデイCEOにあると述べた。同氏自身のベンチャーファンドはアンソロピックを支援している。
11月5日、ナスダックは5.52%下落した。民主党が中間選挙で圧勝し、投資家はデータセンターの制限を懸念した。投票者は全米45件のデータセンター関連住民投票のうち39件で制限に賛成した。
キャシー・ウッド氏がアンソロピックCEOに批判を向けた理由
ARKインベストの月例動画で、ウッド氏はアモデイCEOが「数百万人規模の職が失われる可能性」や「10年以内に人類が絶滅する確率は10%」などと警告し、悲観的な報道を助長していると指摘した。
「なぜ彼がそう発言しているのか理解できない」と同氏は 述べた。
同氏はまた、Ramp社のデータも引用した。企業上位1%はAI関連支出が従業員1人当たり月1万ドル近いが、大半は月15ドル程度にとどまる。この差から、AIの普及はまだ初期段階だと位置付けた。
同氏は雇用減ではなく、労働力不足が起きると予想している。米国では10月に16万5000人の雇用が創出され、予想の6万5000人を大幅に上回った。失業率は4.1%に低下した。
この対立はARKの資金にも関わる。ARKの公式サイトには、ベンチャーファンドがアンソロピック、オープンAI、スペースXへの投資機会を提供すると明記されている。ウッド氏はオープンAIとアンソロピックの「驚異的な成功」を評価した。
その成功にはデータセンターが不可欠。UBSは、建設中断が2028年に計画された米国データセンター能力の約30%を危険にさらす可能性があると試算した。
アモデイCEOが実際に警告した内容
2025年5月、アモデイCEOはAIが初級オフィス職の半数を消滅させ、米国の失業率を5年以内に10~20%に押し上げる可能性があると警告した。
ただし「人類絶滅」の数字はアモデイCEO自身のものではない。Axiosは10%超の絶滅リスクを、アンソロピックでAI安全性を担当するエヴァン・ヒュービンガー氏の見解と伝えている。
「我々はAIが全人類を死に至らしめる可能性を本気で信じている」とAxiosが報じた。
アモデイCEO自身が2025年にAxiosへ示したのは、「本当に、非常に深刻な事態」になる確率が25%という見積もりである。
ウッド氏も米国内の電力価格が上昇している点は認めた。
ウッド氏は1958年以降、米国株式は中間選挙翌年に平均13~14%上昇する傾向があるとも指摘した。ファンドストラットのトム・リー氏も投資家に対し、AI関連株の下落は買い場と呼びかけている。
売り圧力はすでにアジア市場にも波及している。AI関連株の今後の判断材料は、州当局が住民投票結果を建設一時停止に反映させるかどうかにかかっている。











